食の欧米化で日本でも和食離れ、そしてお米や魚介類の摂取量も落ちていますが、お肉中心の食生活では、健康末来は明るくないようですね。
フィンランドの最新栄養研究を見てみましょう。
動物性タンパク質が豊富な食生活を続けると……!?
動物性タンパク質が豊富な食事とは、肉類だけではなく、牛乳、生クリーム、卵なども含まれます。
パン食が中心の人は、パンそのものの中にも、卵や乳製品が多く含まれていますし、一緒にたべるおかずも、どうしても肉食が多くなってしまいますね。
ヨーロッパではそうした食生活が当たり前なのですが、こうした食生活は、将来の死亡リスクが高まってくることが分かってきました。
東フィンランド大学では、42歳から60歳の男性を対象に、何らかの病気での死亡データを集めて、統計がとられました。
また対象となった人たちの1984年から1989年の食事内容もあわせて照合されました。
その結果、食事のバランスが摂れていた男性と比較して、タンパク供給源が植物性や魚介類よりも、肉類を中心に摂っていた人たちの方が、有意に何らかの生活習慣病によって死亡するリスクが、高いことがわかったのです。
動物性タンパク質はカラダにどれぐらい悪い?
これは、肉類や乳製品を食べたらいけない、というお話ではありません。
ようはバランスの問題で、肉類や乳製品を食べていても、他に魚介類や植物性タンパク質の食品もバランスよく食べていれば、大きな病気にかかるリスクは低くなるということです。
研究によると、タンパク供給源が動物由来(魚介類は除く)中心であった人たちは、動物性と植物性タンパクのバランスが最も良い人たちと比べて、死亡リスクが23%も高くなったそうです。
特に、お肉の摂取量が多い人ほど悪影響があり、肉の摂取量が1日200g以上を越えている人は、肉の摂取量が1日100g以下の人と比べて、死亡リスクが23%高くなっていたのです。
生活習慣病との関連は?
また、Ⅱ型糖尿病、心血管疾患、ガンなどの生活習慣病との関連は、タンパク質の総摂取量が高い人ほど、それらの病気での死亡リスクが増大していたということです。
この結果をふまえ、研究者たちは、慢性的な病気を持つ人たちは、総じて、摂取しているタンパク源の種類によって、健康効果が違ってくるので、タンパク質摂取と健康への影響をさらに、調査する必要があると述べています。
※参考:『米国臨床栄養学雑誌』2019年4月
さいごに
フィンランドでの研究ではありますが、日本でも肉食中心の食生活を送る人は増える一方なので、気を付けたいですよね。
特に食生活の基本は、子どもの頃に作られるので、魚介類や豆類からのタンパク質補給もできるような食事内容に、大人のパパママが見守ってあげましょう。
そしてご自分たちの健康末来のためにも、動物性食品と植物性食品のバランスも保つようにしましょう。