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子どもの好き嫌いを見逃すと精神障害、家庭不和に?

一般に、子どもの食べ物に対する「好き嫌い」は、一時的なもので、第一次反抗期の影響もあり、アレルギーではない限り、ただの嗜好の問題です。
しかし、それを親が真に受けて、子どもが嫌がる食べ物を、与えないままにしておくと、子どもの栄養状態の悪化、家庭内不和、両親のフラストレーションなどに発展することが、アメリカの小児研究でわかってきました。

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子どもの偏食が中度を超えると危険信号

冒頭で述べたように、子どもの偏食は、幼児期においては一般的で、単なるわがままであることが多く、その間、親が根気よく、しつけの観点から、与え続けていると、自然と野菜嫌いなどは改善されていきます。

しかし、子どものわがままを受け入れすぎて、そのまま中度から重度の偏食に進んでしまうと、その子どもは、躁鬱(そううつ)や、不安症など、深刻な問題を引き起こすようになることが、アメリカのデューク大学医療センターの研究でわかってきました。

子どもの偏食の特徴は?

研究では、特定の食べ物が嫌いだ! とハッキリ言う子どもは、例えば、ニンジンやブロッコリーなどをキチンと食べており、その味が嫌いなだけで、「偏食」には至っていないそうです。
そのため、こうした子どもたちは、健康被害や精神障害も見られないということです。

しかし、特定の食べ物を避け、限定された食品しか食べない子どもは「中度の偏食」に分類され、2歳から6歳の子どもの2割程度が該当するとのことです。

そして「重度の偏食」の子どもたちの特徴は、限定食品の範囲が狭すぎて、他人と一緒に食事をすることができず、2歳から6歳の子どもの中に3%ほど存在するそうです。

中度以上の偏食で精神障害のリスクがUP?

子どもの偏食は、中度になると、既に食行動に反映されており、成長期において必要な栄養成分が欠けるので、不安になりやすいなどの、精神障害が見られるとのことです。

また、偏食のある子どもは、追跡調査を行うと、「全般性不安障害」の症状がひどくなるケースが多く、偏食のない子どもと比較すると、2倍も多いそうです。

重度の偏食になると、正式な精神障害に発展?

中度の偏食の子どもは、不安になりやすい症状が目立ちますが、まだ、正式な精神障害に至るほどではありません。
しかし、重度の偏食となると、前述したように、他人と一緒に食事をしたがらず、行動も閉鎖的になり、不安症を通り越して、抑うつ症と診断されるケースが、さらに2倍ほど高くなるそうです。

子どもが偏食だと家庭不和にもつながる?

そして、中度から重度の偏食をもつ子どもがいる家庭では、両親が子どものことが原因でケンカをしたり、無理にしつけようとして、親と子の関係性が悪くなったりと、家庭不和につながるケースが高くなることも、明らかになりました。

アメリカの精神障害の診断と統計によると、中度から重度の偏食は、列記とした精神障害に当てはまり、「回避性食物摂取障害」または、「制限性食物摂取障害」という病気に分類されるそうです。
※参考:『小児科学』

さいごに

今は、共稼ぎ世帯が増えているので、ついついお子さんのわがままを優先させ、甘やかしてしまうケースも増えているようですね。

しかし、それが、お子さんの精神状態の不安定さを招くかもしれないので、摂るべき栄養は、少々おいしくなくても、キチンと食べられるよう、しつけてあげることが、本当の優しさと言えるでしょう。