AnnaBabyTokyo

仕事・子育て・健康・栄養~働く女性を応援する情報ブログ

小学生の英語授業はさほど効果なし? 独・言語研究

国際化に伴い、日本でも、小学生の早期英語教育が見直されていますね。
また、学校のお勉強とは別に、英会話教室に通っている子どもたちも多いことでしょう。
果たして効果のほどは?
日本と同じく英語圏ではないドイツの教育現場での研究結果を見てみましょう。

f:id:annababytokyo:20180729111546j:plain

1年生からのスタートは3年生スタートよりも成績が悪い?

ドイツのルール大学ボーフム校の研究で、ドイツの北ライン-ウェストファリア地域を対象に、大規模な長期研究が実施されました。
この地域に住む5,130人の小学生を2010年から2014年にかけて調査し、比較研究が行われています。
一般に、早期から外国語学習をはじめた方が良いとされていますが、結果は、そうでもないことがわかりました。

調査期間中、対象となった小学生たちを、1年生から英語学習を始めるグループと、3年生からはじめて英語学習に取り組むグループとに分け、それぞれの子どもたちが5年生になるまで追跡調査が行われました。

その結果、3年生からはじめて英語を学んだ子供たちの方が、有意に成績が良かったことがわかりました。

英語の読解力とリスニング力などの詳細結果は?

詳細をさらに見てみましょう。
3年生からはじめて英語を学んだ子どもたちは、5年生時点で英語の読解力とリスニング力が、1年生から英語学習をしていた子どもたちよりも優れていました。
その平均成績は、7年生(日本の中学1年生)になるまで、3年生スタートの子どもたちの方が良かったということです。

スペインでは?

またスペインでは、小学生低学年から週に1~2時間の割合で、英語学習を取り入れていました。
しかし、スペインの研究者たちは、長期的に見ると、言語能力の促進には有益ではなかったと判断しているそうです。

英語の授業内容にも問題?

日本の教育現場でもいえることですが、英語圏ではない諸外国の英語教育は、英文法などが中心で、まだ小さな子どもが興味を持つような内容ではないことも原因に上げられています。
また、早期から小学校で英語の授業を取り入れていても、難しいの英文法中心の授業を週に1~2回程度しか取り入れないので、子どもたちの興味がよけいに持続しないのではないか? とも考えられています。

子どものうちは記憶力がいいので、英語の学習プログラムを変えて、ゲーム感覚で、子どもが喜ぶ遊びを取り入れた英語学習にする必要があるようです。
※参考:『言語学習』

また、英語圏外の国々では日本のように中学校から英語を必修授業としているケースが多く、英語教員になるには、大学で英語を専門に勉強している教員が指導に当たっていますね。
しかし小学校教員の場合、もともと英語の授業が必須ではなかったため、まだ教員が子どもたちに英語を教えられるレベルではないのも原因の1つにあげられています。

さいごに

子どもの早期英語学習は、子どもの年齢だけでなく、さまざまな事情が絡んでいそうですね。
ドイツやスペインの研究発表ではありますが、日本でも同じような状況なので、大いに参考になるでしょう。
お子さんが小さいうちから英語に触れることは、将来の語学力にきっと役立つと思いますが、くれぐれも堅苦しい文法などではなく、英語で友達と話したい! 英語でゲームしたい! 英語の絵本が読みたい! と思ってもらえるような、飽きのこない環境づくりを整えてあげましょう。