今年の夏は、旅行や帰省を控えている方が多いことでしょう。
しかし、せっかくの夏休みなので、近場のハイキングや遊園地、プールなど屋外に遊びに行くこともあるでしょう。
そんな時に大切なのが水分補給!
夏の暑さの水分補給が、いかに重要であるか? アメリカの研究を見てみましょう。
暑さの中で運動すると体内で何が起きるのか?
アメリカのアリゾナ州立大学の研究で、暑さの中で運動するときに、私たちの体内では何が起きているのかが調査されました。
内容は、
- 水分補給レベル
- 体幹部体温
- 発汗量
などを着目して解析されたとのこと。
ハイキングを想定して調査!
研究では、20代の女性7名と同男性5名を対象に、気温20℃前後の日に、ある山までハイキングしてもらいました。
その後、気温40℃前後となった別の日に、再び同じ山にハイキングしてもらいました。
参加者は、ハイキングに欠かせないものを準備してもらい、ほかに「必要だと思う以上の飲料」と不具合が起こらないよう、なるべく早くハイキングコースを回るよう、指示されました。
参加者は、合計で同じ山を4回昇り降りしたそうです。
そして、このハイキングコースは、熱中症の多いことで有名なアリゾナ州フェニックスの「キャメルバック山」と同じ距離と傾斜に相当する山であったそうです。
トレッキング前の測定事項とは?
参加者は、トレッキングを始める前に、
・安静時の代謝
・ハイキング中の消費カロリー
・体重
・心拍数
・体幹部体温
・水分補給状態
などが測定されました。
また、ハイキング中も、飲水行為がモニターされていました。
その後、上記のデータから参加者の水分損失を計算したところ、気温に関わらず、体重の平均1%が減少していたことがわかったのです。
夏の運動での体重減少は1%以上になると危険?
夏は運動をしていなくても、温度が高いところにいると汗が噴き出してきますよね。
そこに、運動という身体活動が加わると、汗での水分不足は加速してしまいます。
夏の運動はハイキングも含めて、水分を余分に携帯する人がほとんどです。
しかし、思った以上に汗が出て、水分補給が追い付いていない人が多いのも現状です。
この研究の参加者たちは、夏のハイキングだとわかっていたので、水分を多めに携帯してもらっていたので、1%の体重減少で済んでいました。
研究者たちは、どんな季節であっても、運動による体重減少が1%よりも多くなった場合は、身体は脱水症状が起きており危険だと述べています。
暑い時期の運動は動作が遅くなりがち
今回の研究でわかったことが、もう1つあります。
参加者たちのハイキングにかかったトレッキング時間です。
20℃前後の気候の良い時期だと、80~90分かかるハイキングコースも、時間内で回ることができます。
しかし、暑い時はトレッキングのパフォーマンスが11%ほど低下する上、身体の有酸素能力が7%減少します。
さらに、体幹温度も上昇するので、いつもより20分の遅れが生じたということです。
40℃という高温に、いつもより20分も長くいたことで、それだけ汗をかく量も増え、体内の水分は奪われてしまうのですね。
※参考:『国際環境研究公衆衛生雑誌』
さいごに
夏のスポーツは、自分で予想しているよりも、多くの水分が奪われてしまうことがよくわかりましたね。
特に海や山など、自動販売機やコンビニで飲料が買えない所に行く場合は、必要以上に多くの水分補給ができるよう、十分な備えをもって、臨んでください!