お子さんはお菓子を与えると喜びますよね。
それは、成人よりも甘味への感受性が強いからだとか!?
これには生理的な理由があるようです。
アメリカの最新栄養研究の詳細を見てみましょう。
甘味を感じる「感度」と「好み」は別物?
アメリカのイリノイ大学の研究によると、未成年者の子どもや若者は、甘味の感度が低く、成人よりも40%多くの砂糖を必要としていることがわかってきました。
研究によると、人が甘味を欲する時、「感度」と「好み」の2つの領域が働くそうです。
この2つは全く別物で、それぞれ独立しており、関連もないのだそう!
すなわち、甘いものが好きではなくても(好み)、甘いと感じるかどうか(感度)は、別物ということです。
こうしたヒトの生理的な特徴を踏まえたうえで、子どものお菓子好きについて調査が行われました。
子どもは高濃度の甘味を必要とする?
研究では、7歳から67歳の人たちを対象に、「アメリカ国立衛生研究所」「米国糖尿病学会」の協力を得て、甘味に対する調査が行われました。
対象者は幼児約100名、10代の子ども約170名、成人約200名とのことです。
対象者には、濃度の違う砂糖水を渡して、好みの甘味濃度と、甘味を感じる最も低い濃度が調べられました。
その結果、年齢の低い幼児ほど、甘味を感じるのに、高濃度の砂糖水を要したとのことです。
これは好みには関係なく、甘いものが苦手な子どもでも、甘みを感じるのに、高濃度の砂糖水を要することが確認されたのです。
大人と子どもの感度の違いとは?
実際、大人と子どもでは、甘さを感じるのに、どのぐらいの差があるのでしょうか?
コップ1杯に角砂糖1個分(4g)の砂糖水を用意して、参加者全員の甘味への感度を調べました。
その結果、大人約7杯分に対して、子どもは約5杯分の砂糖水しか甘味を感じないことがわかりました。
子どもは大人に比べると、甘味への感度が低いことがわかりますね。
子どもは甘いジュースが好き?
そして「好み」の甘さについても、子どものほうが甘ったるいものが好きなことが判明!
成人では、コーラ飲料と同様の角砂糖8個分の砂糖水の甘味をおいしい!と感じるようでした。
一方、幼児や10代の子どもたちは角砂糖12個分の砂糖水がおいしい!と感じることもわかってきました。
大人よりも、約40%ほど甘味量が多いのが、お好みのようです。
これは、幼児期や若年層特有の、脳内経路が関与しているようです。
甘味の感じ方はドーパミンが関与?
ヒトが甘味を感じるのは、脳の「報酬系経路」が関与すると考えられています。
その代表的なものが「ドーパミン」!
ドーパミン受容体の働きは、年齢とともに低下することがわかっています。
そのため、若い人ほど、甘味の濃度を予測するため、濃い砂糖水を欲するようですね。
甘味への依存度は10代で確立?
大人になると、甘味の感度は高くなり、少しの砂糖でも甘く感じるようになるのですが、スイーツ好きに代表されるように、「好み」の問題は10代の食生活で確立されるようです!
それは脳の報酬系の働きの変化によるものだそうで、10代までに、たくさんお菓子を与えられていると、その人の脳は、甘いものを何よりの楽しみと感じ、ことあるごとにスイーツを欲するようになるみたいですね。
※参考:『栄養素』
さいごに
確かに子どもの頃は、お誕生日やクリスマスに食べるケーキは格別でしたね。
パパママのお土産やご褒美にも、ケーキや洋菓子が多いのではないでしょうか?
お子さんの喜ぶ顔は、パパママにとってはかけがえのないものですが、それが、お子さんの脳の「報酬経路」を乱しているかもしれません!?
砂糖への危険度は、世界中で問題視されているので、ほどほどにしておきたいですね。