ママのストレスと小児肥満の関係とは? 独・研究
出産を終えた女性が抱えるストレスの重度によって、生まれてきた子どもの、その後の小児肥満に影響が出るようです。
ドイツの最新、公衆衛生の研究を見てみましょう。
ママの知覚ストレスが子どもに影響する?
ドイツのヘルムホルツ環境研究センターが発表した研究報告によると、出産後1年間に受けた母親の知覚ストレスが、その子どもの小児肥満に影響が及ぶことがわかってきました。
対象となった498人のママと子どものペアを調査したところ、出産後1年間に受けた母親の知覚ストレスの重度が、そのまま5歳になった時の子どもの小児肥満の確率と比例することがわかったのです。
ドイツでは2歳から6歳の就学前の子どもの約1割が過体重または小児肥満であるため、調査が開始されたそうです。
母親の知覚ストレスの内容とは?
出産後のママが抱える知覚ストレスとは、次のようなことが挙げられています。
- 交通量
- 騒音
- 生活環境
- 世帯収入
これらが悪い(低い)と知覚ストレスの重度が上がり、それに比例してお子さんが小児肥満になりやすいようです。
特に女の子の方に影響が出やすく、母親の知覚ストレスが高ければ高いほど、そのママのお子さんである女の子の肥満指数が高くなる傾向があるそう。
出産後1年間のママの精神状態は非常にデリケート
出産を終えた女性は心身共に、自分のカラダや感情の変化についていけず、総じてデリケートになりやすい時期です。
特に出産後1年間は、行き先や近所の交通量や騒音など、外的なことにストレスを感じやすくなるようです。
※参考:『BMC公衆衛生』2018年10月
また、出産直後は、赤ちゃんの新生活のために何かと物入りですよね。
そのため、世帯収入が低い家庭のママは、それもストレスになります。
そうしたストレスを抱えた家庭は生活環境も悪くなりがちで、子どもに与える食事もおざなりになり、安価で購入できる加工食品や甘味を多く含んだ菓子やジュースの頻度が増え、子どもの過体重や小児肥満につながってしまうようですね。
さいごに
知覚ストレスを抱えたママが与える子どもへの食事内容や生活環境の詳しい調査まではまだ行われていませんが、今後、公衆衛生の観点からも、詳細な調査が行われることになるでしょう。
ドイツでの研究報告ではありますが、どこの国も抱えるストレスは似ていると思うので、大いに参考になりそうですね。