一雨ごとに涼しくなり、そろそろ温かいお蕎麦が恋しくなってくる季節ですね。
蕎麦は他の小麦粉でできた麺と違って、栄養価が豊富で、10割蕎麦に近付くほど栄養価は高いと言えます。
季節の変わり目は、肌荒れや不調を引き起こしやすいので、その対応食としてもいいでしょう。
蕎麦は全粒粉穀物
穀類というと、一般にイネ科の米類、小麦粉類、大麦類などをいいますが、蕎麦はイネ科以外の穀類として、分類上は穀類に入っています。
イネ科以外の穀類は蕎麦(タデ科ソバ属)の他にアマランサス(ヒユ科)とキアヌ(アカザ科)があり、どれもスーパーフードとして名高いですね。
蕎麦もそれに負けない栄養価があるのです。
蕎麦の代表的な栄養成分
蕎麦の代表的な栄養成分は「ルチン」ですね。
美容好き、健康好きの方にはよく知られる機能性成分で、ポリフェノールの1種です。
抗酸化作用があるので、体内の毒素をデトックスしたり、コラーゲンの生成を促すので夏の紫外線で傷んだ肌や皮膚細胞の修復をしてくれるでしょう。
他に、ビタミンB群も豊富です。
蕎麦の実を丸ごと潰して作る蕎麦の麵は、全粒粉小麦粉や玄米と同様、ビタミンB群が豊富なので、糖質や脂質の代謝に役立ちます。
麵好きの人は、他のトッピングは最小限にして、麵のみを食べたがる人が多いですが、蕎麦なら他の麺類と違って、栄養不足に陥りにくいと考えられますね。
ルチンには様々な健康作用が!
ルチンには、前述の作用の他に、まだまだ期待できる健康効果が豊富です!
毛細血管を丈夫にして、血圧を下げる作用があるので、高血圧の方は、小麦粉類でできた麺類よりも蕎麦の方が断然オススメです。
また、日本の蕎麦の三大名産地、長野(戸隠そば)、岩手(わんこそば)、島根(出雲そば)では、高血圧の人口が他の都道府県よりも低めだということもわかっています。
そして、ポリフェノール独特の作用である「抗酸化作用」で血管や細胞の酸化を防ぐ動きがあるので、動脈硬化の予防となります。
そのため、心筋梗塞や脳卒中の疑いがある人は予防食にもなるのです。
蕎麦の栄養を高める薬味とは?
蕎麦にはお決まりの薬味がついていますが、それぞれ役割があるのですね。
代表的な薬味の成分や健康作用を見てみましょう。
- 大根おろし
生の状態の大根には、アミラーゼと言う消化酵素が豊富で、文字通り、消化を助ける作用があります。
また辛味成分には解毒作用があるので、体内の毒素のデトックスや、胃腸を元気にして食欲増進作用も期待できるでしょう。 - ネギ
ネギの辛味成分は硫化アリルやアリシンによるもので、これらにも殺菌作用や消化を助ける作用があります。 - わさび
ワサビの苦味成分はアリルイソチオシアネートで、こちらも殺菌作用が望めます。また、ビタミンCも含むので、蕎麦に含まれるルチンとの相乗効果で体内のコラーゲン生成を促進し、肌荒れの改善や予防にいいでしょう。 - シソ(大葉)、エゴマなど
シソ科の大葉やエゴマにはα-リノレン酸が豊富です。
中性脂肪を下げる作用も期待でき、また血液をサラサラにする作用も望めます。
特にエゴマにその作用が高いと考えられています。
そば粉も同様の作用が!
日本では蕎麦を麺状にして食べるのが一般的ですが、そば粉はフランスでも栽培がさかんで、「ガレット」というクレープが有名ですね。
そば粉は一般のスーパーでも小麦粉や上新粉などの粉物売り場で買えます。
スイーツとして食べるよりも、チーズや卵、温野菜、きのこ類をトッピングして食べるのが一般的です。
ガレットとして蕎麦を食べても、同様の作用が得られますし、小麦粉で作られたクレープやピザ台のように太る心配も少ないので、ダイエット食としてもおススメです。
さいごに
蕎麦は、たまにアレルギーの人がいるので、それだけが残念ですが、蕎麦アレルギーがない人は、薬味をトッピングした上で、活用してみましょう。
一般の安い蕎麦チェーン店や社員食堂、学食などで使用されている蕎麦は小麦粉60%、蕎麦粉40%で、小麦粉の方が多くなっている蕎麦が主流です。
職人さんが手打ちしているこだわりの蕎麦屋でいただきましょう。
スーパーで蕎麦を買う時は、やはり安価なものは上記製品が主流なので、必ず蕎麦粉の含有量を確かめてみましょう。
せめて蕎麦粉が60%以上で、小麦粉よりも上回っているものを選びたいですね。
乾麺コーナーに行くと蕎麦粉100%の十割蕎麦も購入できます。
蕎麦の栄養価を最大限に活かして、肌荒れや不調対策に役立てたいですね。