母乳育児のプロバイオティクスは1年間腸内で有効か?アメリカ・研究
赤ちゃんの腸内環境を良くするには、母乳育児が良いと言われています。
これまでの研究では、母乳による赤ちゃんのプロバイオティクスは、1ヶ月有効と確認されていましたが……。
アメリカの最新研究によると、なんと1年間もプロバイオティクスの環境が維持するそうです!
詳細を見てみましょう。
母乳育児は赤ちゃんのプロバイオティクスに!
アメリカのカリフォルニア大学の研究により、冒頭のようなことがわかってきました。
赤ちゃんの腸内には、「B.infantis」という腸内細菌があります。
この腸内細菌が、母乳に含まれるオリゴ糖の消化を助けるのに、有効的な働きをすると言われています。
先進国の赤ちゃんの腸内細菌が悪くなっている?
この「B.infantis」という細菌は、以前は母乳哺育で育った乳児の腸内ではよく見られました。
しかし、最近では先進国の乳児には、あまり見られなくなったそうです。
「B.infantis」の劇的な現象は、抗生物質の使用の増加や、粉ミルクの利用の増加、帝王切開での出産が原因に上がっています。
赤ちゃんの腸内で「B.infantis」が不足すると?
こうした状況をふまえ、研究者たちは、
「B.infantis」という腸内細菌は、乳児の腸の「門番」のような働きをしています。
「B.infantis」は、腸内でオリゴ糖を食べて、腸内環境を良くしてくれています。
これが不足すると、潜在的な病原体には望ましくない環境を作ることになるので、何らかの病気に罹りやすい子どもになる可能性も出てきます。
と指摘しています。
「B.infantis」の不足は、何らかのアレルギー、喘息、自己免疫疾患などの炎症性疾患を引き起こしやすいようです。
逆に「B.infantis」が腸内に定着していると、腸の炎症が減少することも確認されています。
母乳哺育による「B.infantis」の定着
以前の研究では、母乳を与えられた赤ちゃんは、生後7日から28日までに「B.infantis」が与えられたことになるので、生後30日までは「B.infantis」が持続的にコロニーを形成することがわかっていました。
今回の追跡調査では、生後4ヶ月、半年、8ヶ月、10ヶ月、1年間とそれぞれの期間で乳児からの糞便サンプルを採取しました。
「B.infantis」という腸内細菌は非常に短命ということが知られていたので、生後数か月で、この細菌はなくなるものと考えられていました。
しかし、母乳育児を1年間続けることで、「B.infantis」は腸内に生き続けることができるのを確認できたそうです。
生後1年の間に、離乳食が始まり、固形物を食べれるようになったとしても、母乳を与え続けていれば、「B.infantis」は赤ちゃんの腸内で定着し、子ども特有の病原体から、赤ちゃんを守ってくれることもわかったのです。
※参考:『小児科学研究』
さいごに
母乳育児は母子ともに、健康にしてくれるので、世界中で推奨されていますね。
この研究で、また一つ、母乳育児の必要性がわかりましたね。