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オメガ3系オイルが流産や死産を予防? 米・研究

現在、妊婦さんの「子宮感染症」が原因で、流産や早産、死産、そして新生児死亡が深刻な問題となっています。
その予防として、妊娠中の女性の食事にオメガ3系オイルを取り入れておくと、改善に向かうかもしれない、というアメリカの最新研究が発表されました。
詳細を見てみましょう。

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アメリカでは1割が早産!? その原因は口内細菌!

アメリカでは10人に1人が早産で産まれてくることが統計でわかっています。
早産とは、赤ちゃんが正産期※1よりも早く産まれてくることを指し、その原因の30%弱が口内細菌である「フソバクテリウム・ヌクレアタム」によるものです。
この細菌が食事などを通して体内に入り、妊婦さんの子宮に感染し、そして胎児に影響して早産になってしまうそうです。

この口内細菌、具体的にはどう妊婦さんに悪影響を及ぼすのでしょうか?

※1正産期とは、妊娠37~41週とさし、赤ちゃんが十分にお腹の中で成熟していつ産まれても良い状態のこと。

口内細菌は妊婦さんには危険!

口内細菌「フソバクテリウム・ヌクレアタム」は、どんな人間の口の中にも潜んでいる一般的な細菌です。
飲食で体内の他の部位に侵入しやすいのですが、特に妊娠期の女性では、この細菌が子宮に入りやすくなるとのこと。
また、妊娠中はホルモンの変化により、歯ぐきの炎症や出血を起こす可能性も高くなるので、そこからこの細菌が繁殖して、飲食や血流、循環器を通じて、体内に入り、そして子宮に侵入しやすい状態となり「子宮感染症」を起こしてしまうのだそうです。

特に循環器にこの細菌が入ると、胎盤に炎症を起こし、早産だけではなく、流産や死産の引き金になる恐ろしい細菌でもあるのです。

子宮の炎症は免疫タンパク質が災い?

そこでアメリカのコロンビア大学では、国民の約1割が早産リスクを抱えている為、それを予防・改善する研究を開始!
人間と生体構造が似ているマウスを用いて、子宮感染症を起こしているマウスの経過を観察しました。

ヒトと同様、胎盤に炎症があるマウスは早産や流産、死産のケースが見られました。
そしてその原因をよく調査すると、免疫タンパク質が母体の内皮細胞に存在する時だけ、前述の口内細菌が災いして子宮に炎症を起こしていることがわかったのです。

さらに炎症メカニズムを調べると……!?

子宮の炎症を鎮めるのにオメガ3系オイルが適役?

子宮での炎症の原因がわかった後、その改善策を研究チームが模索していると、妊婦が安全に食すことができる食材の中で、オメガ3系オイルに行き当たりました。

オメガ3系オイルはこれまでにも、様々な抗炎症作用の研究報告が上がっている上、魚介類や一部の植物油(亜麻仁油、エゴマ油など)など妊婦さんに推奨されている食材リストに含まれる脂肪酸であったからです。

実際に、炎症を起こしているマウスに与えると、内皮炎症を抑制することがわかりました。
また、胎盤の炎症が鎮まり、「フソバクテリウム・ヌクレアタム」の増殖も抑えられ、早産、流産、死産そして産まれてすぐに赤ちゃんが亡くなる”新生児死亡”の数も有意に減少したということです。

まだ動物実験の段階ではありますが、近年の研究報告ではマウスによる実験結果は、ほぼヒトにも適するケースが多いため(100%ではありません)、早くもオメガ3系オイルが、流産や死産の予防食材になると注目を集めています。
※参考:『JCIインサイト』2019年2月

さいごに

オメガ3系オイルは様々な健康作用がエビデンスとしてあがっていますが、また新たな発見が発表されましたね。

アメリカでの研究報告ですが、日本人の口内にも同様に「フソバクテリウム・ヌクレアタム」という細菌は存在するので、魚介類やエゴマ油などでオメガ3系オイルを取り入れて、予防しておきたいですね。

※オメガ3系オイルは「n-3系脂肪酸」「オメガ3系脂肪酸」「n-3系オイル」などと呼ばれることもあります。