AnnaBabyTokyo

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市販の粉ミルクの臨床報告は80%があいまい? イギリス・研究

日本でも多くのママが利用している《粉ミルク》。
イギリスでは、粉ミルクの臨床試験の結果が、正しいか否か?
問題になっているようです。
詳細をみてみましょう。

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粉ミルクの臨床試験は好ましい結論が出ていない?

粉ミルクの臨床試験は、思い込みや偏った調査結果になってしまうリスクが高いそうです。
そのため、ほとんどの場合、好ましい結論を報告できていないのだそう。
こうした懸念は、イギリスの《インペリアル・カレッジ・ロンドン》などの共同研究により、わかってきたものです。

2製品以上の粉ミルクを比較検討

研究チームは、前述の理由により、2製品以上の粉ミルクを比較検討しました。
3歳未満の、約23,000名の子供たちを含む、125件の臨床試験結果を分析しました。
測定指標は、以下の通り!

  • 体重増加:36%
  • 腸の健康維持:26%
  • 栄養素吸収:10%
  • 行動:6%
  • アレルギー:6%

という、平均値になりました。

製造メーカーと独立機関によって調査結果が違う?

前述の詳細結果は、125件の臨床試験結果の平均となりますが、研究班がさらに解析した結果、意外な事実も判明!

臨床試験結果の17件については、粉ミルクの製造会社独自の結果ではなく、独立機関によって実施されていたのです。
一方で、26件は、明確な目的をもって、前向きな調査結果を製造会社自らが、登録していました。
また、11件だけ、一般に閲覧できるレベルの調査結果を公表していました。

80%の製造会社が不適切な報告?

上記の例は、全体の20%に過ぎません。
残りの80%の製造会社が発表した臨床試験結果は、

  • 分析からの参加者の不適切な除外
  • 望ましくない所見を控えるため、主要結果の詳細に偏りが見られる

という結果に!
90%以上の臨床報告が、とても良い結論で締めくくっていましたが……。
それは、公表したくない部分をうやむやにしたい!
という、製造会社側の思い込みや理想を報告している可能性が高いという、事実が判明しました。

市販の粉ミルクの研究報告は透明性がない?

この分析結果をふまえ、研究者たちは、

粉ミルク業界は、粉ミルクの臨床試験に、密接に関与しています。
調査結果は、ほとんどの場合、好ましいものと報告されていました。
しかし、試験の目的や結果の報告については、ほとんど透明性がない。

と言いきっておられます。
さらに、以下のような発言も!

今回の調査結果は、参加者を危害から適切に保護し、購入者の誤解を招く情報から保護するために、粉ミルク試験の実施と報告を大幅に変更する必要性を、裏付けています。

※参考: 『英国医学雑誌(BMJ)』

さいごに

正しい研究報告を発表しているのが、20%とは、驚きですよね。
イギリスの実態ではありますが、日本でも、粉ミルクを購入する際は、気をつけたいですね。
製造メーカーが公表しているエビデンスなどを、ホームページなどで、しっかり確認してから購入しましょう。