自動販売機のラインナップを見ていると、未だに加糖飲料の種類が大半を占めています。
肥満や加糖飲料の問題は、世界中で問題視されており、課税対象にする国も増えてきました。
アメリカの最新内科学研究によると、職場に加糖飲料の自動販売機を無くすだけで、有意にダイエット効果があるとして、話題になっています。
詳細を見てみましょう。
職場の自動販売機を無くすだけで加糖飲料の摂取量が半減!
パパママの職場に、自動販売機は設置されているでしょうか?
職場によりますが、今は街頭やビルのエレベーターホールだけではなく、各オフィスをはじめ、大学機関、病院、雑居ビルと自動販売機を目にしない日はない! というぐらい溢れていますよね。
自動販売機のラインナップをゆっくり眺める人は少ないかもしれませんが、ほとんどが「加糖飲料」です。
「健康飲料」だと思っている、「エナジードリンク」「野菜ジュース」「フルーツジュース」にも糖質がたっぷりと入っています。
自分で気を付けているつもりでも、自販機が目に入るとついつい買ってしまうのが、人のさが。また同僚が購入しているのを見かけると、自分もつられて買ってしまうこともあるでしょう。
そこで、自動販売機自体の設置を辞めれば、余分な飲料の買い物がなくなり、加糖飲料の摂取も大幅に減らすことができたのです。
職場で加糖飲料の販売を禁止すると!?
アメリカのカリフォルニア大学サンフランシスコ校の研究では、「職場での加糖飲料の販売を禁止」に協力してくれる企業と連携し、1年間、対象者の体重や脂肪、健康面などを追跡調査しました。
対象者は、販売禁止前に、砂糖入り飲料の摂取が多い214名(1日当たり360ml以上飲むと定義)としました。(※女性124名、平均年齢41.2歳、平均BMI29.4)
砂糖入り飲料の販売を停止した後、対象者を半数ずつ、2つのグループにわけました。
1つは加糖飲料の摂取減少に、やんわりと動機づけを行ったグループ【A】。
もう1つのグループは、動機づけを行わなかったグループ【B】です。
その結果、対象者全体で、以下のような結果になりました。
- 研究開始時の砂糖入り飲料摂取:平均1050ml摂取
- 終了時の砂糖入り飲料摂取:平均540ml摂取以下
開始時から比較すると、平均48.5%も減少したのです!
加糖飲料の摂取が減った後の健康効果は?
加糖飲料の摂取が減少したことで、「インスリン抵抗性」が有意に改善したそうです。
グループ別に見ると、【B】では加糖飲料の摂取が平均246ml減少していましたが、【A】グループの人たちは意識が高まっていたのか、1日平均760mlも加糖飲料の摂取が減少したため、インスリン値が改善に向かったようです。
また【A】グループの人たちは、ウエスト周囲のサイズも、有意な減少が認められた。
すなわち、お腹周りのぜい肉が、加糖飲料を辞めるだけでスッキリしたということですね。
加糖飲料の摂取減は1年で効果あり!長く続けよう
研究者たちは、
今回の結果は、職場での加糖飲料を販売禁止にするだけで、1年以内に健康改善に貢献することがわかった。また砂糖が健康に悪影響を及ぼす可能性がいかに、高いかもわかった。
と述べています。※参考:『JAMA内科学』
さいごに
今の自動販売機は、ミネラルウォーターや、各種お茶やハーブティーの種類が増えてきましたね。
コーヒーや紅茶飲料も「無糖」や「ブラック」が必ず選べるようになっています。
しかし、まだまだお砂糖たっぷりのコーヒー紅茶飲料や炭酸飲料、ジュース類がなることはないでしょう。
購入する生活者が賢く選択できればいいですが、いっそ職場で加糖飲料の販売禁止令が出ると、実行しやすくなりますね。
諸外国で加糖飲料に税金がかかるようになってきたので、そのうち日本でもタバコのように加糖飲料の値段が上がっていくかもしれません!?