欧米では古くから、10月に入ると子どもたちにお菓子を配る「ハロウィーン」が行われています。
しかし、カナダの統計調査によると、その時期にナッツアレルギーによる「アナフィラキシーショック」のピークを迎えることがわかってきました。
ハロウィーンの時期に、ナッツ入りのお菓子を食べる量が増えるからでしょうか?
詳細を見てみましょう。
ハロウィーン期間はアナフィラキシーショックが急増?
カナダのマギル大学の研究により、冒頭のようなことがわかってきました。
ハロウィーンの他に、イースターの時期も同様だということです。
どちらもキリスト教をベースとした欧米での、伝統的なお祭りで、子どもたちに多くのお菓子が振舞われます。
平均年齢5歳の男児が多い?
研究では、2011年から2020年の間に、カナダの4つの州の小児救急病棟の受診歴より、約1,400名の患者データを調査!
ハロウィーンとイースターの時期に運び込まれる患者の平均年齢は5.4歳。
62%が男児であったということです。
原因食材は「ピーナッツ」
解析の結果、アナフィラキシーショックの原因食材は「ピーナッツ」であることも判明しました。ハロウィーン期間中(10月)の1日の症例数は他の時期の平均値よりも85%も症例が多いとのこと。
また、イースター期間中(3月後半から4月)での症例数は60%増しであることもわかりました。
ナッツ全般も原因食材に
また、どの種類のナッツであるかは判明していませんが、何らかの「ナッツ類」によるアナフィラキシーショックについても結果が出ています。
ハロウィーンとイースターの時期は、他の時期と比べると、70%も症例が多いようです。
クリスマスや旧正月の増加はなし
一方、クリスマス週間(日本で言うお正月)や、カナダ在住の中国人が行う「旧正月」はどうなのでしょうか?
この時期にも、お菓子は多く食べらていますが、アナフィラキシーショックの症例が増加することはないそうです。
不特定多数の人からもらうお菓子が原因?
クリスマスやお正月は、家族で食卓を囲み、子どものアレルギー食材は、親が注意しています。
しかし、ハロウィーンやイースターは、イベント会場や、街の散策で、不特定多数の近隣の大人からお菓子が配られます。
子ども同士で参加すると、まだ自分自身のアレルギー食材を理解していないので、知らずに食べてしまうのが、原因だと考えられています。
※参考:『カナダ医師会雑誌
さいごに
今年はコロナ禍でハロウィーンのイベントも中止になっている地域が多いことでしょう。
しかし、お子さんのアレルギー食材は、親の目の届かないところで配られているかもしれないので、気を付けたいですね。