AnnaBabyTokyo

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マスク着用時の激しい運動は大丈夫? イタリア・研究

マスクを着用したまま、激しい運動をしても大丈夫なのでしょうか?
呼吸困難を起こすなど、様々な懸念が飛び交っていますね。
実際の化学的根拠は、どうなっているのでしょうか?
イタリアの最新研究の詳細を見てみましょう。

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マスク着用時の運動はパフォーマンスがやや低下する程度?

イタリアのミラノ大学の研究報告によると、マスク着用時の激しい運動は、健康な人であれば、安全ではあるが、パフォーマンスがやや落ちるということです。
コロナ禍の主な感染経路は、呼吸器飛沫と言われています。
特に屋内スポーツでは、運動中の呼吸が激しくなると、感染リスクが高まると考えられています。
そのため、マスクを着用しての運動が、スポーツ時の感染予防にもなっています。

マスク着用の運動は呼吸困難に……?

これまでの研究では、激しい運動中にマスクをしていると、コロナ感染には役立っても、呼吸困難の観点から、完全に「安全だ」という確証はない、と言われてきました。
この疑問に答えるため、研究チームは、健康な男女を対象に、3ラウンドの運動試験を実施ました。
対象者の平均年齢は40歳、男女ともに6名ずつでした。

その結果、呼吸困難は特に見られず、10%程度、パフォーマンスが落ちる傾向が見られただけでした。

3つのグループに分けて運動試験を観察

研究チームは、参加者を以下の3つのグループに分けて、運動試験の経過を観察しました。

  1. マスクをつけない
  2. サージカルマスクを着用する
  3. FFP2マスクを着用する(サージカルマスクよりも保護機能が優れている)

対象者がエアロバイクを使用している間に、研究者たちは、「呼吸」「心拍数」「血圧」「血中酸素レベル」を測定しました。
その結果、1~3いずれもマスクを着用していると、普段の運動能力の平均よりもパフォーマンスが10%程度、低下していることがわかったのです。

運動時のマスクはやや息苦しくなる?

この結果をふまえ、研究者たちは、運動時のマスク着用は、マスクを通して息を吸ったり吐いたりするのは、わずかな呼吸困難が生じている可能性があると指摘。
しかし、酸素飽和度は、マスク着用時の有無に関わらず、有意差はみられなかったようです。

マスク着用の運動は重大な呼吸困難は引き起こさない

睡眠中など、安静時と、運動時の肺活量測定は、マスクの有無に関わず、穏やかに悪化するのが常です。
運動すると、息がハァハァするのは、誰もが体験したことがあるでしょう。
これは、運動によって、気流抵抗が増加し、肺の換気が減少するからです。
マスクを着したからといって、この換気機能が制限されるわけではありません。
マスク着用の上で、激しい運動をしても、パフォーマンスがやや低下したとしても、重篤な危機にならない、と結論づけています。

運動時のマスクは必須ではないとも

ただ、研究者たちは、スポーツ時のマスク着用は、必ずしも必須ではない、とも述べています。
大切なことは、健康な人が最高の能力で動いている場合、フェイスマスク着用で運動するリスクを示唆してはいけない、とのこと。

ただ、この研究結果は、健康な人たちを対象としているので、心配に問題のある人たちにも当てはまるとは言えないそうです。
※参考:『欧州呼吸器雑誌』

さいごに

マスクの種類にもよりそうですが、運動時のマスク着用は、個人の選択によりそうですね。
感染予防のために、練習時にはマスクを着用し、試合などの本番時にはマスクを外すなどの工夫が大切かもしれませんね。