男性ホルモンの一種「テストステロン」。
このテストステロン値が低い男性は、そうでない男性と比べて、コロナの重症化リスクが高くなるそうです!?
アメリカの最新研究の詳細を見てみましょう。
テストステロン値が低いとコロナの重症化リスクが?
アメリカのセントルイスワシントン大学の研究により、冒頭のようなことがわかってきました。
コロナの重症化リスクにおいて、男性ホルモンや女性ホルモンといった「性ホルモン」が、どのように寄与するかは、これまでの研究ではわかっていませんでした。
そこで、研究チームは、2020年3月から5月に、アメリカ・ミズーリ州セントルイスのバーンズユダヤ病院で受診した男性90人と、女性62人に対して、血液検査を行い、ホルモンとの感染症の関連を調べました。
血液検査の結果は?
血液検査では、「血清テストステロン」「エストラジオール」「インスリン様成長因子」などの濃度と、コロナの重症度の関連が調査されました。
これらの濃度は、受信時の第0日目を皮切りに、入院後3日後、7日後、14日後、28日後に測定されました。
調査の結果、受信時と入院3日後のテストステロン濃度は、男性患者のコロナ重症度と血中炎症性サイトカイン濃度と、逆の相関を示したのです。
すなわち、テストステロン濃度が低いほど、重症化リスクが高いということです。
しかし、女性患者では、こうした現象は観察されなかったとのこと。
コロナとテストステロンの関係
この研究結果が出るまでは、一般に、コロナのパンデミックでは、テストステロン濃度が高いほうが、重症化リスクがある、と推測されていましたが、男性においては逆の結果となったのです!
この結果をふまえ、研究者たちは、
コロナ感染で、男性が最初に病院に来た際、テストステロン濃度が低い人ほど、コロナの重症化リスクが高く、集中治療が必要になったり、死亡した例も見られました。
血中テストステロン濃度が高い人ほど、重症や死亡リスクが低かったのです。
しかし、入院中に、血中テストステロン濃度が下がった男性は、やはり重症化することもわかりました。
と述べています。
※参考:『JAMAネットワークオープン』
さいごに
日本では、一般の健康診断の血液検査の項目に、テストステロン値はないかもしれません。
しかし、オプションの検査項目で知ることができるので、心配な方は、一度血液検査でテストステロン値を確認しておきましょう。