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イギリスで砂糖入り飲料の課税始まる?

世界で広まる肥満人口の増加

日本だけではなく、世界中の健康問題として上がっているのが「過体重」です。 肥満人口は、WHO(世界保健機構)の調査では1975年からの40年間で急激に増え、2016年の時点で6億4,100万人(男性 2億6,600万人、女性 3億7,500万人)に達した、と発表されていますね。 このうちの約20%が小児肥満ということで、先進国で顕著なようです。

イギリスで砂糖入り飲料の課税が始まる?

こうした背景の中、イギリスのケンブリッジ大学は、砂糖入り飲料の売り上げが高い、あるレストランチェーン37店舗に協力してもらい、砂糖入り飲料に10ペンスの課税を導入しました。

対象となったのは、非アルコールの砂糖飲料で、砂糖を含んでいないフレッシュフルーツジュースや野菜ジュース、ダイエットコーラ、コーヒーや紅茶は課税対象にはなりませんでした。

その結果、砂糖入り飲料の売り上げは11%も減少したとのことです。 しかし、課税としても砂糖入り飲料をオーダーする人も多く、その課税分の収益は、小児肥満対策の「子ども健康基金」に寄付されることも発表されました。

※参考:『疫学とコミュニティヘルス雑誌

安価な砂糖入り飲料が世界の肥満人口増加に?

つい100年ほど前までは、砂糖はまだ貴重品で、甘いお菓子も飲料も、一般市民が口にすることはまれでした。

しかし農業の機械化や森林伐採でサトウキビ畑の面積が世界中で増え、砂糖は安価で大量生産できる代物となりました。

その結果、世界各地で、貧困層への食品の支給も、砂糖がたくさん入って保存性の高い、砂糖入り飲料やスナック菓子が選ばれるようになりました。

数年前から、タバコのように砂糖入り飲料も値上げをしない限り、肥満人口の増加は防げない、と指摘する専門家も多く、今年(2017年)発表されたケンブリッジ大学の報告例が今後、広がっていくでしょう。

一見、レストランや砂糖入り飲料の製造メーカーの損失になるようにも思えますが、砂糖が「カラダに害を及ぼす」とわかった以上、どこかの時点で改善が図られていくでしょう。

自然素材由来の甘味料が普及すれば...?

ここ十数年で、人工甘味料の開発も進みましたが、自然素材が由来する甘味料の開発も進んでいますね。

代表的なのがエリスリトールと羅漢果(ラカンカ)です。

エリスリトールは、ワインの製造過程で、捨てられてしまうぶどうの残骸から発見された甘味で、砂糖とほぼ同じ甘さを感じるのに、カロリーはゼロ。そして血糖値も乱高下させません。

そしてもう1つは『ラカント』の商品名でおなじみの羅漢果の木の実から抽出された甘味成分。これもエリスリトールと同様の特徴があります。

エリスリトールは本来ゴミとなるぶどうが再利用できますし、羅漢果はまだ高価ですが、サトウキビ畑のかわりに、栽培面積が広がれば、価格も下がり、世界の肥満人口減少に貢献できそうですね。

このような研究が世界各地で広がり、実施されていくことを願っています。

小児肥満についての詳細は以下の記事もご参照ください。

⇒ http://annababy.tokyo/illness/childhood_obesity/