花粉症などのアレルギー症状は、体内の免疫というメカニズムが暴走することで起こります。
この「免疫の暴走」はアレルギーだけではなく、体内の臓器なども”免疫”が攻撃するようになり、『自己免疫疾患』の原因にもなるのです。
本日はこうした対策に活躍する「Tレグ細胞」のお話をご紹介します。
「免疫の暴走」とは?
本日の記事は、前回の記事と関連しているので、まだの方はそちらを先に読んでいただくと、分かりやすいかもしれません。
さて、本来ならカラダを守ってくれるはずの”免疫”が暴走してしまうと、細菌やウイルスを攻撃するだけではなく、今度は行き過ぎて、私たちの臓器など、大切な器官まで攻撃しだします。
これが『自己免疫疾患』と呼ばれるもので、代表的な疾患に、バセドウ病、関節リウマチ、膠原病(こうげんびょう)、円形脱毛症などが含まれます。
免疫システムは、このような間違った免疫反応や、免疫の暴走が起こった時に、これらを抑えるシステムも存在することがわかってきました。
免疫の暴走とは、わかりやすく言うと、体内で「炎症が起きている」と言い換えることもできます。
免疫の暴走を抑える細胞が存在!
免疫システムには何種類もの「T細胞」が働いていますが、多くは免疫反応を活性する働きがあります。
程度に働いてくれると、風邪やインフルエンザなどの菌を撃退してくれるのでいいのですが、この作用が暴走すると、アレルギー症状が出現して花粉症などになるので、なかなか免疫システムも複雑なようですね。
しかし、近年、免疫の暴走を抑える制御性のT細胞が発見され「Tレグ細胞」と呼ばれています。
Tレグ細胞は、免疫の司令塔である、ヘルパーT細胞の働きを弱めたり、体内に細菌や異物が混入した時に異物攻撃の指令を抑えることで、免疫の暴走にブレーキをかけてくれることがわかってきたのです。
Tレグ細胞は様々なアレルギーを制御?
花粉症などのアレルギーや前述の自己免疫疾患の治療現場では、Tレグ細胞が「Th1細胞」と「Th2細胞」のバランスを改善するため、このTレグ細胞の働きを強める方法が注目されているそうです。
この方法は、食物アレルギーなどにも期待できるようです。
※「Th1細胞」と「Th2細胞」の詳細は、過去記事をお読みください!
⇒ https://annababytokyo.hateblo.jp/entry/helper_t_cell
Tレグ細胞が増殖する栄養成分とは?
医療現場ではTレグ細胞を増やす治療薬などの開発が進んでいるようですが、実際の食生活では「葉酸」を多く含むものを食べておくと、Tレグ細胞が増殖しやすいようです。
Tレグ細胞は腸管に多く存在していますが、体内に葉酸が多く存在していると増殖され、葉酸が少なくなるとその数が減るようです。
そして葉酸の数が少ないと(Tレグ細胞も少ない)腸粘膜で炎症を起こしやすいことも、医薬基盤・健康栄養研究所の調べでわかってきました。
葉酸を含む食品を摂ろう!
葉酸は、妊婦さんが不足してはいけない栄養素でもお馴染みですが、花粉症などのアレルギー体質の方も、葉酸を含む食品を摂取しておきましょう。
手っ取り早くサプリメント、という手もありますが、なるべく生鮮食品で食べておくのがいいですね。
葉酸は、緑の濃い野菜に多く、ほうれん草、小松菜、ブロッコリー、水菜、チンゲン菜、ピーマン、春菊、菜の花、ゴーヤ、オクラ、ベビーリーフなどに含まれています。
さいごに
以前から、花粉症予防に菜の花や小松菜を食べるといい、と言われていましたが、最新研究でも理に叶った食品であったようですね。
緑の濃い野菜を摂る機会を増やし、カラダの根本から、アレルギー体質を改善していきましょう。