AnnaBabyTokyo

仕事・子育て・健康・栄養~働く女性を応援する情報ブログ

再婚などの「連れ子関係」はさほど邪悪ではない? アメリカ・研究

継母&継子関係は、グリム童話の『シンデレラ』に代表されるように、一般には「うまくいかない」「泥沼関係」と考えらがちです。
しかし、イギリスの最新調査によると、実態はさほど邪悪ではないことがわかってきました。
詳細を見てみましょう。

f:id:annababytokyo:20210217163000j:plain

新しい家族の関係はさほど邪悪ではない?

アメリカのイーストカロライナ大学の研究によると、両親の再婚などで連れ子があり、継母(継父)&継子関係が問題視されがちですが、実態はさほど邪悪ではないことがわかってきました。
むしろ、継子の場合は、異父兄弟や異母兄弟よりも家族関係が良好であるようです!?

「シンデレラ効果」理論を検証

この研究は、「シンデレラ効果」理論に挑戦したものです。
先行研究では、継子関係のある家庭では、肉体的・経済的・感情的な家族内の対立が原因で、義理の子どもたちの死亡リスクが高まり、虐待やネグレクトの発生率が高まる、と考えられていました。
こうした現象は、継親が継子の虐待に大きな役割を果たし、生物学的にも継子に危害を与えてしまう行動に出る可能性が高く、そして継子たちに否定的な結果をもたらすことを示唆していました。
今回の研究では、そこまで邪悪なものなのか否かが検証されました。

継親についての非難は間違い?

今回の研究では、先行研究による継親への否定的な意見を払拭すべく、「実親の喪失」という観点から検証されました。
「実親の喪失」といったトラウマに見舞われている子どもと、安定的な家族内で育った子どもとを、長期にわたって観察しました。
研究によると、まず、継子と、「実親の喪失による経済的・感情的な困難を経験した子ども」を比較した時、両者の子どもの心理状態などは、さほど違いは見られなかったそうです。
特に、継親ができたことによる継子の死亡率(虐待や自殺)は上昇していなかったとのこと。

19世紀からのデータを分析すると?

昔も今も、『シンデレラ』のように、継子関係は邪悪なものと考えられがちなので、研究班は1847年までさかのぼって、1940年までの子どもたちのデータを解析しました。
対象となったのは、当時からユタ州に住む約40万人の子どもたちのデータです。
このビックデータを解析すると、以下の3つの重要な特徴がみられたとのこと!

いずれも、「配偶者の死亡後に両親が再婚した場合の継子の死亡率」と、「両親が再婚しなかった子ども」を比較しています。

・親の死亡率は、18歳未満の子ども、特に母親を亡くした乳児に悪影響を及ぼす
・配偶者を失った後に、親が再婚した子どもは、親が再婚しなかった子どもよりも死亡率が高くなるわけではない
・異父母兄弟が新しい家族に導入されたとき、継子は保護効果を受けた

これにより、研究者たちは、
「義理の親、特に義母が『邪悪』という考え方は、昔の話のことだ。」
と述べています。

継子関係も実の親子関係も環境次第

一部の継子が、虐待などで苦しんでいる事実は否定できません。
しかし、継子の否定的な結果の原因が、継親であるという事実は確認されておらず、個々の家庭の環境と経験を比較する必要があるそうです。

研究者によると、家族を成功させる要因とは、

家計の安定、人間関係の安定、経済の安定といった継親が継子に投資して、それを実現することで家族の成功が達成されるのです。
継親が成功するための関係を希望した場合、敵対的なアプローチをしても意味がないでしょう。

と述べています。
※参考:『英国王立協会哲学論文集・シリーズB、生物科学』

さいごに

家庭環境の悪化は、継子関係が注目されがちですが、一概にそうとも言えないことがわかりましたね。
実の親子関係でも、家計が不安定で、親子関係がギクシャクしていると、家族の成功はありえません。
家族関係を成功させるには、継子問題にかかわらず、「家計の安定」「人間関係の安定」「経済の安定」の3つが基本と言えそうですね。