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ソーシャルディスタンスは人を不健康にする? カナダ・神経生物学研究

新型コロナウイルスのパンデミックが起こるまで、人類は大規模な社会的孤立になることはありませんでした。
カナダの最新「神経生物学研究」の統計によると、ソーシャルディスタンスなどの社会的孤立は、心理面をはじめ、免疫機能の低下など、かえってヒトを不健康にしていることがわかってきました。
詳細を見てみましょう。

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孤独感は不健康スパイラルに陥りやすい?

カナダのマギル大学などの共同研究によると、社会的孤立が、私たちの心理的幸福感と身体の健康に、マイナスの影響を及ぼすことがわかってきました。

孤独感は直接、生体の「免疫系」を損なわせ、病気や感染症への耐性を低下させることが、これまでの研究でわかっていました。
例えば、高齢者の孤独死や、親しい人との別離などがそうです。
またペットの犬や猫も、飼い主から見放されると、みるみる衰弱して命を落とすケースが多々あります。

それとは逆で、社会的に統合されている人々は、活力にみなぎっているので、

  • 血圧の低下
  • BMIの低下
  • CRP(炎症マーカー)レベルの低下

など、生理学的機能のバイトマーカーを適切に保っている傾向があります。
すなわち、健康診断で「異常なし」という好ましい健康状態です。

人間は社会的な生き物

人間はとても社会的な生き物なので、家から出て会社に行ったり、人と会うことで、社会的相互作用を得て、心理的にも肉体的にも恩恵を受けている動物です。
例えば、サークル活動や、習い事、学生時代の食事会、会社の同僚との飲み会など、友人(同僚)ネットワークに組み込まれている人ほど、病気になる可能性が低くなり、生存率が高くなるという特質も持ち合わせています。
このように「スポーツクラブ」「教会」「趣味のグループ」など、より多くのグループに属する人ほど、将来、うつ病のリスクを25%削減できる、という報告もあるほです。

孤独感がもたらす深刻な健康被害とは?

今回の研究チームが様々な角度から調査した結果、孤独感がもたらす深刻な影響は、以下の通り!

  • 強力な対人関係を持つことは、健康的な生存率を高める
  • 社会的孤立は、死亡リスクの重要な予測因子となりうる
  • 不十分な社会的刺激は、推論を増長させ、記憶力を低下させる
  • 孤独感は、ホルモンの恒常性、脳細胞の接続性と機能の低下
  • 身体的および精神的疾患に対し、回復力に影響を与える
  • 孤独感はソーシャルネットワークを通じて広がり、社会的認識に悪影響を及ぼ
  • 孤独感はあらゆる病気の罹患率と死亡率を増大させる
  • 孤独感は、高齢者のアルツハイマー病や認知症の発症を促進する

社会的孤立は人間の脳・精神・肉体を破壊する!

この結果をふまえ、研究者たちは、

私たち人間は社会的生物です。
社会の相互作用により、人間の文化と文明を急速に進歩させてきました。
赤ちゃんから高齢者にいたるまで、対人関係に心理社会的要素を組み込むことが、私たちの「生存」には必要不可欠なのです。
コロナのパンデミック状況下で、社会的孤立が、人間の「脳」「精神」「肉体」にどう影響を及ぼすのか、そのギャップを急速に狭める必要がある。

と述べています。
※参考:『認知科学の傾向』

さいごに

コロナウイルスの恐ろしさよりも、それ以外の副次的な影響で生命を絶たれることが、今後の課題として浮き彫りになってきていますね。
人間は一人では生きていけないもの。その交流の場が長く絶たれると、若くして孤独死を迎えることになるかもしれませんね。