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妊娠中の貧血は死亡率を高める?英・最新研究

イギリスのロンドン大学、クイーンメアリーの研究報告によると、妊娠中の貧血は、そうでない妊婦さんと比べて、妊娠中から出産後しばらくの死亡率が2倍に高まる、ということです。 詳細を見てみましょう。

妊娠中の貧血は死亡率を高めるのか?

この研究では、世界29カ国の約31万人の妊婦を含む、WHO(世界保健機構)のデータを用いて分析を行いました。 そのうち約4千名は、重度の貧血(70g/L未満)で亡くなっていました。 重度の貧血ではない妊婦の数は、約8千名であったので、比較すると、2倍のリスクがあるということです。

以前の研究では、妊娠中の貧血は、直接の死因と関係はない、とされてきましたが、この研究で、大いに関係することがわかりました。 今の段階では統計データによる解析ですが、今後、詳細なことが解明されていくでしょう。

また、妊娠中の貧血は、失血やマラリア感染にも影響するかもしれないので、注意が必要とのことです。 ※参考『ランセットグローバルヘルス』2018年5月号

貧血を防ぐ食べ物とは?

日本人女性は、鉄の摂取が不足しがちですね。 鉄は、貧血を救う主な栄養素になるので、特に妊娠中は不足してはいけません。

国の『食事摂取基準』によると日本人女性の1日の鉄の推奨量は18歳から29歳で6.0mg、月経時は10.5mgとなっています。 そして30歳から49歳では同6.5mg、月経時11.5mgです。 それに加え、妊娠中は+2.5~15.0、授乳中も+2.5を付加する必要があるのです。

よく鉄補給にほうれん草やプルーンを補う人がいますが、植物からの鉄補給は、カラダへの吸収率が低いので、ビタミンCと一緒に摂るか、動物性食品からの鉄補給が必要となってきます。

動物性食品からの鉄補給は、レバー類がダントツですが、苦手な人は、あさりやしじみなどの貝類の摂取を増やしましょう。

ほうれん草や小松菜、モロヘイヤ、ひじきも鉄の含有量は高いですが、単品ではカラダに吸収されにくいので、他の野菜や果物も一緒に食べてビタミンCと共に食べるようにしてください。

主な食品の鉄含有量

1日の鉄の推奨量がわかったところで、どんな食べ物をどれぐらい食べたらいいのかわかりませんよね。 以下に、食品100g中の鉄含有量をあげたので、ご参考にしてみてください。 意外とほうれん草、プルーンには鉄が少なく、上位の鉄含有量食品には上がっていないのです。

(食品100g中)

  • 肉類 豚レバー:13.0mg、鶏レバー:9.0mg、牛肩赤身肉:2.7mg
  • 魚介類 しじみ:5.3mg、いわし(丸干し):4.4mg、あさり:3.8mg
  • 野菜 大根の葉:3.1mg、小松菜:2.8mg、そら豆:2.3mg
  • その他 干しひじき:5.5mg(10g中)、納豆:3.3mg、木綿豆腐:0.9mg

そして、貧血を予防する他の栄養素としてはビタミンKや葉酸、前述のビタミンCも含まれます。 ビタミンKや葉酸は葉物野菜に多く含まれるので、ご自身の命のためにも、くれぐれも野菜の摂取は不足しないよう、注意しましょう!