スウェーデンの最新医学研究によると、犬は、飼い主が糖尿病であった場合、それが何故か伝染してしまうようです!?
その原因とは、一体、何なのでしょうか?
猫は、大丈夫という事実も……!?
詳細を見てみましょう。
糖尿病になる犬は、飼い主も糖尿病?
スウェーデンのウプサラ大学などの共同研究により、糖尿病の犬は、飼い主がⅡ型糖尿病である可能性が高いことがわかってきました。
一方、猫とその飼い主については、そのような関連は見られないとのこと!
大規模調査によって判明した事実は、どうなっているのでしょうか?
肥満犬は、飼い主も肥満体!?
先行研究により、肥満犬は、飼い主も肥満体であることがわかっていました。
そこで、研究班は、糖尿病などの生活習慣病にも同じことが言えるのでは? と想定し、大規模調査を開始!
この調査は、ウプサラ大学をはじめ、スウェーデン農業大学、カロリンスカ研究所、リバプール大学の共同調査で行われました。
17万件以上の犬を飼っている家庭が対象に!
研究では、スウェーデンの動物保険登録と住民・保険登録に基づき、スウェーデン在住のペット保有者の情報が、抽出されました。
その後、犬の飼い主約175,000人、猫の飼い主約90,000人を対象に調査を開始!
飼い主はいずれも、研究開始時点で、中高年に該当する年齢でした。
その後6年に渡る追跡調査を行い、飼い主と犬、猫、それぞれの糖尿病発症の有無を確認しました。
糖尿病の犬の飼い主はⅡ型糖尿病の発症リスクが38%高!
その結果、糖尿病の犬の飼い主は、そうでない飼い主と比べて、Ⅱ型糖尿病リスクが38%の高くなる事実がわかったのです!
飼い主の年齢、性別、社会経済的状況、犬の年齢、性別、出産歴に関係なく、とのことです。
しかし、猫とその飼い主では、相関関係は見られませんでした。
犬と飼い主の食生活は似ている???
この結果をふまえ、研究者たちは、
糖尿病を持つ犬は、飼い主のⅡ型糖尿病発症リスク上昇のサインとなります。逆もしかり。
研究では、各家庭の生活行動様式の情報を把握していたわけではありません。
しかし、犬と飼い主の関連性は、身体活動のパターンや食生活が類似しているため、飼い主が肥満であれば、飼い犬も肥満というように、糖尿病にも同様の結果が出たと考察できます。
と述べています。
猫はなぜ、飼い主に似ない?
運動習慣や食生活が、ペットの肥満や糖尿病の原因の1つと仮定すると、犬には当てはまるが、猫には当てはまらないことになります。
猫は、犬のように散歩に連れ出すことはありません。猫は家の中や、近所を徘徊する習性があるので、飼い主の行動パターンに影響されないのです。
食生活も、猫には犬と違い「満腹中枢」があるので、飼い主がエサや菓子類をあげたとしても、猫自身が空腹を感じていなければ、食べ物に見向きもしません。
その辺りの、事情で、猫の飼い主が肥満や糖尿病予備軍であっても、猫自身に影響が出ないと考えられます。
人間と犬は互いに影響を受けやすい?
人間と犬は、歴史を振り返っても、少なくとも15,000年もの間、共に暮らしているという事実があります。
日常生活を良くも悪くも、共有し続けているのです。
犬と飼い主の両方にとって、各家庭の糖尿病リスクに影響を与える、共通の生活様式と環境要因がある、という可能性を秘めているのでしょう。
※参考:『英国医学雑誌(BMJ)』
さいごに
犬の散歩をしていると、顔の表情まで飼い主と似ているワンちゃんを見かけますが、体系もソックリだったりしますよね。
ワンちゃんを飼っているご家庭は、くれぐれも、人間が食べているお菓子や食事を、そのままワンちゃんにあげないよう、注意しましょう。
特に室内犬は、人間の習性を、よく理解しています。
知らんぷりしながら、しっかりと観察しているので、ワンちゃんに悪い習性を記憶されないよう、引き締めた生活を送りたいですね。