AnnaBabyTokyo

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母乳と海藻にノロウイルス抑制成分が? 独・研究

まだ少し早いですが、秋冬は牡蠣が美味しくなる季節ですよね。
しかし牡蠣のような2枚貝に必ずと言っていいほど棲息しているノロウイルスが心配な方も多いことでしょう。
そこで、ノロウイルスが猛威を奮う前に、ドイツの最新研究より、ノロウイルスの弱点を抑えておきましょう。

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ノロウイルスの弱点とは?

ノロウイルスは、それが付着した飲食物から人間の体内に侵入してきます。
ノロウイルスが腸の細胞に侵入してくるかどうかは、細胞表面に存在している糖の1種「フコース」の量で決まるそうです。
私たちの腸細胞の表面にフコースがたくさんいれば、同じものを食べていてもノロウイルスに罹りにくく、フコースがさほどいなければ、ノロウイルスに負けてしまうということです。

フコースとノロウイルスの関係とは?

ドイツのケルン大学の研究では、母乳からフコースが含まれるオリゴ糖を抽出してノロウイルスとの結合性を確認しました。
フコースの量が少ないと、ノロウイルスはフコースを無視して結合せずに腸内細胞に入ってしまいます。
しかし、フコースの量が多いとノロウイルスはフコースと結合せざるを得なくなり、腸内細胞の中に入れなくなるそうです。
研究では、ヒトの母乳由来のオリゴ糖とノロウイルスのみの関係性を調べましたが、反応は示さず、そのオリゴ糖の化学構造の末端に存在するフコースだけがノロウイルスと結合できたようです。
そのため、腸内細胞に高密度のフコースが存在すると、ノロウイルスの活性が抑制できることがわかったのです。

フコースは母乳以外に海藻にも含まれる

 ヒト由来の母乳は、授乳中のママにしか手に入らないので、一般の人はフコースと出会えないように思えますが、ノロウイルスはフコースであれば、必ずしも母乳由来ではなくても結合して腸内細胞には入らないということもわかっています。
母乳以外には海藻類にも含まれているので、牡蠣などを食べる時は、海藻も一緒に食べておくと、ノロウイルスによる食中毒が予防できるかもしれませんね。
※参考:『生物化学雑誌』2018年7月

さいごに

研究者たちはフコースだけを抽出したサプリメントが普及すれば、ノロウイルスの感染防御の有効性が高いと考えられる、としています。
今後、「フコース」という名のサプリメントが登場するかもしれませんね。
ノロウイルスは事故のようなものなので、もし感染してしまったら、体外へ排出されるまで苦しい思いをガマンするだけのように思われてきましたが、「牡蠣料理の時は、海藻と一緒に食べる!」ことを覚えておき、堪能したいものですね。
海藻は海苔、ワカメ、昆布、もずく、ひじきなどです。
生牡蠣をいただく時は特に海藻サラダなどを必須としておきましょう。