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赤ちゃんの夜泣き原因はビフィズス菌が少ないから?

母乳で育てている赤ちゃんは、一般に、人工乳で育てている赤ちゃんよりも、夜泣きが少ないと言われていますね。
その理由は、母乳栄養の場合、赤ちゃんの腸内にビフィズス菌が多く、人工乳だと、ビフィズス菌がどうしても少なくなるから? という研究発表がありました。
詳細を見てみましょう。

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赤ちゃんの腸内細菌は自ら足りない栄養成分を合成する?

赤ちゃんは母乳育児で育てるのが望ましいですが、忙しい現代、粉ミルクなどの人工乳を利用する方も多いことでしょう。
アメリカのセントルイス・ワシントン大学では、近年の人工乳は、限りなく母乳の組成に近付けているが、人工的に加工したものなので、赤ちゃんの腸内細菌へと影響は違うようだと結論付けています。

人工乳の各メーカーは、世界各国でも、母乳には足りない栄養成分などを補強している傾向があります。
例えば、出産直後の母乳はタンパク質が豊富で、必須アミノ酸も揃っていますが、やがて時がたつと、アミノ酸組成は減少していきます。
しかし自然の摂理で、赤ちゃんの腸内は、足りないアミノ酸を自らの腸内細菌で合成する能力があることが判明しました。
ただ、母乳を飲んでいる赤ちゃんに備わっている能力で、人工乳で育っている赤ちゃんはその能力が低いようです。

母乳と人工乳、ビフィズス菌の育ち方の違い

人工乳では、母乳から分泌が少なくなりがちなアミノ酸を補強しているケースが多いのですが、これは逆に赤ちゃんが自らの腸内細菌でそのアミノ酸を合成する能力を奪う場合もあるのだそうです。

人工乳も、腸内細菌が育つような栄養成分を揃えて加工していますが、いくらその組成が似ていても、人工のものと、母乳という自然の産物とでは、腸内のビフィズス菌を育てるには、明らかに結果が違うこともわかりました。

母乳にも人工乳も乳糖が存在しますが、母乳に含まれる糖はビフィズス菌の成長を増進させる働きがあります。
人工乳もほぼ同じ組成の糖を添加し、実験上ではビフィズス菌の成長因子があることが確認されていましたが、実際、赤ちゃんの腸内ではさほど、ビフィズス菌が増殖していないようです。

赤ちゃんの夜泣きの原因はビフィズス菌量の問題?

赤ちゃんの夜泣きの原因は、様々な論説があり、単に機嫌が悪い、寝つけない、おねしょ、お腹が空いた、などが推測されていますね。
赤ちゃんはまだしゃべれないので、真意の程は解明できていない部分もあります。

しかし、近年の赤ちゃんの腸内のビフィズス菌量と、夜泣きの関連性を調べた研究では、腸内にビフィズス菌量が少ないと、夜泣きが多い傾向があることがわかりました。

人工乳では全くビフィズス菌が増えないわけではありませんが、今後、人工乳の開発では、いかに赤ちゃんの腸内でビフィズス菌量が増殖できる栄養成分を添加するかが、問題となってくるでしょう。

さいごに

母乳に足りない栄養成分は、赤ちゃん自らの腸内細菌が合成していたという事実は、赤ちゃんの生命力の強さを物語っていますね。
近年、腸内細菌は健康やダイエットの分野でも注目されていますが、赤ちゃんの腸内でも、いかに大切であるかがわかりましたね。
※参考:『ネイチャー医学』2018年10月