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コレステロール低下薬で腸内細菌叢が改善する? スウェーデン・研究

早い会社では、もう健康診断が始まっているようですね。
働くパパママ世代で、コレステロール値を気にされている方もいらっしゃることでしょう。
すでにコレステロール値の高い人は、コレステロール低下薬を飲んでいるかもしれません。実は、その薬には、腸内細菌叢の改善効果があるかもしれないのです。
スウェーデンの最新研究を見てみましょう。

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腸内細菌叢は様々な代謝や疾患と関連する?

以前から、

  • 腸内細菌叢と様々な代謝関連
  • 腸内細菌叢と心血管疾患との関連

が発見されていました。

今回の研究では、スウェーデンのイェーテボリ大学などの共同研究により、コレステロール低下薬と腸内細菌叢の改善といった関連が発見されました。
直接的なメカニズムは、まだ詳細がわかっていませんが、この結果はほぼ確実といえるほど、効果が期待できるそうです。

コレステロール低下薬と腸内細菌の関係とは?

研究では、代謝における腸内細菌叢の役割に焦点をあてて、詳しく調査が行われました。

コレステロール低下薬「スタチン」が、
・腸内細菌に直接影響しているのか?
または
・スタチンが腸と免疫細胞の両方に影響をおぼして、腸内細菌叢の改変を助けているのか?

研究者たちは、この2つのどちらかの理由が、あてはまると推測しています。
その結果がわかるのは、時間の経過によるそうですが、いずれにせよ、スタチンが腸内環境を改善してくれるようですね。

欧州2,000人以上の代謝環境を調査

今回の共同研究では、欧州に住む、約2,000人を対象に綿密な調査が行われました。
対象者の代謝や心血管疾患のさまざまな状態が観察されています。

腸内細菌叢は個々人で異なっています。
そこで、細菌の構成や数によって、いくつかの型にグループ分けされました。
そのうちの1つ「Bact2」型には、「フェカリバクテリウム」といった抗炎症細菌は、あまりみられませんでした。
抗炎症細菌は、免疫システムを強化する働きがあるので、多いほうが望ましい細菌です。

「Bact2」型は腸疾患やうつ病患者に多い型?

また、「Bact2」型の腸内細菌叢を持つ人たちは、炎症性の腸疾患や多発性硬化症、うつ病患者などに多く見られます。
そして肥満者が多いことも発見されました。

しかし、スタチン両方を受けた人たちは、最初「Bact2」型であった人たちも、腸内細菌叢が改善されて、「Bact2」型ではなくなった人も出てきました。

この結果をふまえ、研究者たちは、
「おそらく、今後スタチンのような薬剤は、「腸内環境を変える」という目的で使用されるようになるでしょう」
と述べています。
※参考:『ネイチャー』

さいごに

スタチンは本来、「コレステロール低下薬」です。
しかし、近い将来、「腸内環境の改善」効果がある薬としても知られていくかもしれませんね。