妊娠中、および授乳中のママは、ご自身が食べたものが、そのまま赤ちゃんに影響してしまうことを、少なからず、ご存知のことと思います。
2017年8月に発表された、フランス国立農学研究所(INRA)からの研究報告では、妊娠中にジャンクフードばかり食べていると、幼年期に成長した子どもは、脂肪食を好む傾向にあり、脳にも影響が出ていることがわかりました。
まだ動物実験段階ではありますが、日本でも、乳児肥満や、幼児肥満の原因は、妊娠中のママの食生活が影響している、との見方があるので、注意しておきたいですね。
フランス国立農学研究所で行われた実験とは?
妊娠中のラットにジャンクフードを食べさせたグループと、バランス栄養食を食べさせたグループに分け、出産後の授乳中も追跡調査を行い、その子どもたちの成長過程を観察しました。
ラットに与えたジャンクフードは、日本で言う西洋型の食事で高脂肪、高砂糖食です。
ジャンクフードを食べた母ラットから生まれてきた子ラットも、最初はバランス栄養食を食べて育てていましたが、ある程度成長した段階でジャンクフードを与えると、バランス栄養食を食べていた母ラットから生まれた子ラットよりも体重増加が早く、人間で言う小児肥満予備軍となったそうです。
※栄養や医療現場での動物実験で、ラットやマウスが使用されるのは、人間と体内構造が似ているためです。人間や猿などの霊長類とラットやマウスは他の動物と違い、体内でビタミンCが合成できないという共通点があります。
脳に影響が?
こうした傾向は、妊娠中の母親からの遺伝子発現と脳の報酬回路によるもので、赤ちゃんはママのお腹にいる時に、その嗜好を受け継いでしまっているのですね。
これは、幼児期から思春期の成長期と呼ばれる時期に栄養バランス食を食べさせる習慣を身につければ、肥満や糖尿病への予防は十分にできることも、動物実験でわかっているので、「もしや?」と思われた方でも、この知識を覚えておけば、改善できるでしょう。
しかし、改善の習慣を与えなければ、生まれ持った性質が「高脂肪、高砂糖食を好む」傾向にあるので、成長期のうちに改善しなければ、大人になってから乱れた食生活に陥りやすいとのことです。
この研究発表でわかったことは?
この研究で、母親の妊娠中の食生活の影響で、生まれつき「高脂肪、高砂糖食を好む」子どもとして誕生しても、思春期(成長期)のうちに、正しい食生活を身に着ければ、将来の糖尿病や、肥満などは防げる、ということがわかったそうです。
※出展『内分泌学の最前線』
まだ動物実験段階ではありますが、人間にも同じ傾向があることが証明される日も近いでしょう。
AnnaBabyでは、『悩んだ時の教科書』と題して、固定コンテンツをご用意しています。 「子どもとママの食育」として乳児期から思春期の正しい食生活を準追ってご紹介しておりますので、ぜひご活用ください。