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搾乳母乳は病原菌が増加?

母乳育児が推奨されるなか、搾乳(さくにゅう)した母乳を哺乳瓶に入れて保存し、利用している方もいらっしゃるでしょう。
しかし、カナダの最新病原菌研究によると、病原菌が増加しやすいことがわかってきました。

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搾乳した母乳は細菌が増加しやすい?

カナダのマニトバ小児病院研究所などの共同研究では、出産後、3~4ヶ月の健康な授乳中のママ約400名を対象に、母乳中の細菌の遺伝子解析を行いました。

細菌と言っても、赤ちゃんやママに良い影響を与える細菌と、病原菌のもととなる悪い細菌があります。

母乳育児は世界中で推奨されていますが、直接授乳と間接授乳では、その細菌組成が環境に左右され、違ってくることがわかったのです。

直接授乳と間接授乳の違い

直接授乳は、直接、赤ちゃんがママの母乳を吸うため、口腔細菌などが豊富で、乳児由来のものが多く、赤ちゃんの健康に役立つ細菌が補えます。
しかし、母乳を搾って哺乳瓶などに保存してから与える場合(搾乳)、赤ちゃんに必要な口腔細菌が枯渇し、空気中に浮遊している病原菌が増加することがわかりました。

母乳は市販の粉ミルクと違い、酸化防止となるビタミン類が添加されているわけでもないので、ちょっとした菌でも不衛生になりやすいのかもしれませんね。

研究者たちは、母乳育児で一番大切なことは、赤ちゃんの口腔細菌なので、その細菌がほとんど含まれず、逆に病原菌が増えてしまうようなら、間接授乳として母乳を与えるのは考えるべきだと述べています。
※参考:『細胞:宿主と病原菌』2019年2月

さいごに

間接授乳をしてまで母乳を推奨する説もありますが、これは一般に、母乳には赤ちゃんの腸内細菌叢を良くすると言う仮説があるからです。
しかし、繊細な赤ちゃんの健康を守るには、腸内細菌叢よりも、病原菌の心配をした方がいいのかもしれません。
母乳育児はなるべく直接授乳のみとし、間接授乳のときは、育児用ミルクも適宜利用するなどして、赤ちゃんの健康を守ってあげましょう。