AnnaBabyTokyo

仕事・子育て・健康・栄養~働く女性を応援する情報ブログ

花粉症等のアレルギーは幼少期の衛生環境が原因?

2019年も花粉症シーズンが到来しましたね。
花粉症もアレルギーの1種ですが、こうしたアレルギー体質は、人によって反応する人としない人がいます。
なんと、アレルギー反応が起きてしまう背景には、幼少期の衛生環境が左右されているそうです!
免疫学の観点から読み解いてみましょう。

f:id:annababytokyo:20190225122105j:plain

アレルギー体質になるメカニズムとは?

人間のカラダには免疫システムが存在しますが、その司令塔として役割を果たすのが「ヘルパーT細胞」です。
ヘルパーT細胞は主に2種類あり、体内に入ってきた細菌やウイルスを防御する「Th1細胞」と、寄生虫への防御を担当する「Th2細胞」があります。
この2つの細胞が、それぞれ暴走しないように、バランスを取りながら体内で活動しているのです。

しかし、何らかの理由でこの2つのバランスが崩れると……!?

アレルギー体質はヘルパーT細胞のバランスの乱れ

Th1細胞よりも、Th2細胞の働きが活発化するとカラダはアレルギーを発症しやすくなります。
Th2細胞は、アレルギー反応の引き金となる「Ige抗体」をつくるB細胞を元気にしてしまう、という働きもあるからです。

本来「Ige抗体」はカラダを守る抗体の1つで血液中には僅かしか存在しません。
その僅かな量で、十分、事足りているのですが、Th2細胞が活性化しすぎると、Ige抗体が血液中に充満するようになり、「免疫」という本来の役目を通り越して、アレルギーを引き起こしてしまうのです。

花粉症を始め、何らかのアレルギー体質になると、「免疫抑制剤」が処方されるのはこのためなのですね。

免疫抑制剤を服用している時は、インフルエンザやふうしんなどの予防接種も受けられないので、2種類のヘルパーT細胞のバランスは非常にカラダにとって重要なのです。

衛生環境は程度に不衛生な方がいい?

近年、アレルギー患者が急増している理由に、衛生環境が挙げられています。
これは「不衛生」の逆で、衛生環境が良くなりすぎていることに原因があるそうです。

昔は設備も整っていなかったので、どこの国も街全体が不衛生でした。
そのため、人間のカラダは、Th1細胞が速戦してバイ菌から身を守るべく、活性化していました。これでTh2細胞の活発化とバランスが取れていたのです。

しかし、今の生活環境は、防菌グッズが出回り、冷暖房設備にも除菌作用があったりして、昔と比べると衛生的になりました。
そうすると、私たちの体内に潜むTh1細胞は活動の機会が減るので、必然的にTh2細胞だけが活躍してしまい、前述の通り、アレルギーを引き起こしてしまう結果となるのだそうです。

幼少期の衛生環境がアレルギー体質に?

こういったアレルギー体質は幼少期に形成されるのことが多いので、昔の子どものように、公園で砂遊びをさせるなどして、ある程度、不衛生な場所にも触れることで、アレルギーに強い子に育つそうです。

「農家の子に花粉症はいない!?」とよく言われていますが、幼少の頃から土壌に触れているので、ヘルパーT細胞のバランスが取れているのでしょう。

都心の幼稚園や小学校ほど、グランドもコンクリートで塗り固められており、砂場のないところもありますね。
これらもアレルギー人口を増やしている原因のようです。

さいごに

花粉症は、主にスギ花粉が多いですが、これも戦後、杉の樹木を植えて環境を良くしようとした政府の試みだったのですが、裏目に出て、その花粉が国民病となってしまいました。

衛生管理に気を配りすぎた結果も、免疫のコントロールができない人口を増やすきっかけとなってしまいました。

何が裏目に出るかわからない世の中ですが、カラダのメカニズムを知っておけば、対処できる方法がわかっていくでしょう。
次回の記事で、具体的にアレルギーにどう対処すればいいのかをご紹介します。

※参考:

運動・からだ図解 免疫学の基本

運動・からだ図解 免疫学の基本