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乳幼児期の栄養不足は将来の難聴に?米・研究

乳幼児期に、栄養不足で育った成人は、栄養バランスの取れた食事で育った人よりも、難聴のリスクが2倍も高いことが、アメリカのジョンズホプキンズ大学の研究でわかりました。

子どもの栄養状態と難聴の関係とは?

ジョンズホプキンズ大学のブルームバーグ公衆衛生学校の研究チームでは、2006年から2008年にかけて、ネパールで約2,200名の若年成人の聴力と、16年前の栄養状態を比較検討しました。

対象者は、1989年から1991年に実施されていた栄養介入試験に参加していた人たちで、栄養状態について、追跡調査も受けていました。

その結果、子どもの頃、痩せすぎていた人が成人した場合、そうでない人たちに比べると、難聴のリスクが2倍も高いことがわかりました。 これは「内耳」の発達が低栄養によって妨げられたためだと推測されています。

対象者以外にも、南アジアでは、若者の間で聴力障害を訴える人が多く、推定1億1,600万人にのぼるようです。 ※参考:『米国臨床栄養学雑誌』2018年2月

栄養不足は先進国でも

栄養不足というと、発展途上国の貧困地域を思い浮かべがちですが、飽食の時代となった先進国でも、両親に栄養の知識がなく、子どもに偏った食事を与えたり、インスタント食品や菓子類を与えすぎていても、栄養不足となります。

研究チームでは、一定の地域だけではなく、世界中の子どもたちの間でも、注意喚起が必要だと呼びかけています。 育ち盛りのお子さんがいらっしゃる方は、栄養が偏らないよう、注意しておきたいですね。

3大栄養素のバランスが大切

成長期のお子さんは、総じて野菜嫌いの子が多いのですが、この時期の野菜不足は、さほど心配いりません。 というのは、子どもは成人期に向って、背丈を伸ばそうとする、文字通り「成長期」なので、3大栄養素のバランスの方が大切だからです。 大人と違って、ご飯やパン、麺類などの炭水化物は、エネルギー源として活用されるので、食生活全体の60%を占めるように与えましょう。

そして、唐揚げやハンバーグ、オムレツを好むお子さんが多いのも、自然の摂理で、カラダがタンパク質と脂質を要求しているからです。 とはいえ、野菜を全く食べさせないのは問題なので、ハンバーグやオムレツの具に混ぜ込んだり、マヨネーズやケチャップなど、子どもが好む味付けで野菜を食べさせてあげましょう。 そして果物を嫌う子どもは少ないので、果物からビタミンやミネラルを摂ると効果的です。

くれぐれも、成長期のお子さんに、防腐剤や保存料たっぷりのインスタント食品や、ファストフード、ファミリーレストランの多用は避けるようにしましょう。

日本ではまだ難聴と子どもの頃の栄養状態は統計が取られていませんが、そのうち、研究発表があがってくるかもしれませんね。