若い頃の食生活は、中年期以降の脳の認知機能に、大いに関与しているそうです。
将来、認知症やアルツハイマーになりたくなかったら、早めに健康食を取り入れるようにしましょう。
アイルランドの最新研究を見てみましょう。
若年層の食事内容と脳機能の関係とは?
北アイルランド、クイーンズ大学の研究で、平均年齢25歳の若年成人を対象として食生活の調査を行い、その後、30年間の追跡調査を行いました。
途中経過として、スタート時に25歳であった人たちの7年後、20年後の食事歴も調査されています。
対象者の食事パターンは3つの健康的な食事をどれぐらい実行していたかによって解析されました。
- 地中海式の食事
野菜、果物、ナッツ類、魚介類、オリーブオイルの摂取が多い食事 - DASH食(高血圧の予防食)
野菜、果物、全粒穀物、無脂肪または低脂肪の乳製品、魚介類、肉類、豆類、ナッツ類、植物油を中心とし、塩分や赤身肉、高脂肪類を控えた食事 - 食事の品質スコア
従来のWHO(世界保健機構)などが定めた、バランスの良い食事内容。
この3つがどれぐらい食事内容に活かされていたかという結果を「低」「中」「高」で評価していきました。
その結果、1と3の食生活を多く取り入れていた人は、食事内容の程度が「低」の人たちと比べて、25年後(平均50歳)と30年後(平均55歳)の時の認知機能は、さほど低下していなかったということです。
2のDASH食は一見、健康に良さそうですが、こと脳神経への関与で観察すると認知機能の低下にはあまり貢献していなかったようです。
地中海式の食事は思考力を高める?
個別に見ていくと、1の「地中海式の食事」を多く取り入れていた人たちは、食事内容の程度が「低」の人たちと比べて、思考力の低下が平均46%も低いことがわかりました。
地中海式の食事を取り入れている人の中でも、頻度が「低」の場合だと、約800人中の約30%が思考力低下につながっていたそうなので、野菜や果物、魚介類の摂取は多い方がいいのでしょう。
ちなみに地中海式の食事の取り入れ度が「高」の人たちは約900人中で、思考力が低下した人は10%弱だったそうです。
※参考:『神経学』2018年11月
さいごに
少しでも若い時期から、野菜や果物、魚介類、オリーブオイルなどの良質の植物油で食事を摂ることは、脳の神経に良い影響をもたらすことがわかりましたね。
今からでも遅くはないので、20年、30年後の脳神経の衰えを防ぎたいものです。
認知機能や記憶力などは、生まれつきの才能のように思われますが、脳神経も、日頃の食生活で培われるものなので、日頃から野菜や果物をたくさん摂り、ナッツ、魚類、アルコール類の適度な摂取は心がけておきましょう。
そして肉類、全脂肪(バターや生クリーム)、過剰なアルコールを控えることも心がけたいですね。