都心では交通手段が発達しているので、毎日の通勤や通学、お子さまのお迎えには、電車やバス、タクシー、そして自家用車などが利用され、歩く機会が減る一方ですね。
こうした「運動不足」が原因となって、様々な生活習慣病も蔓延しています。 生活習慣病は、主に食事や飲酒、喫煙が取り上げられますが、運動不足も深刻化しています。
そんな運動不足を解消するのに、自転車が活用しそうです。 今年(2017年)10月に発表されたデンマークの調査報告を見てみましょう。
自転車移動はジム通いに匹敵?
時間に余裕のあるワーキングウーマンなら、会社帰りや休日に、スポーツジムを利用して、運動不足解消に努めていることでしょう。
しかし忙しいママ世代は、帰宅後は育児や家事、子どもの勉強、朝は早くから家族の朝食やお弁当の準備、洗濯などなど、スポーツジムに通うヒマはありません。
しかし家事だけでは大変なだけで、運動不足解消になるほどの体力を使わないことが現実です。
そこで移動手段を自転車に変えるだけで、週末のスポーツジム通いに匹敵するほどの運動量が確保できるという、デンマークのコペンハーゲン大学からの研究報告に注目が集まっています。
自転車を使った調査結果とは?
コペンハーゲン大学では、BMI25~30の過体重と診断された男女130人を対象に、以下のような4つのグループに分けました。
- 通勤を自転車に変えるグループ。
- 激しい運動を短時間だけジムで行うグループ(休日を含む週5日)
- ややきつい中強度の運動を事務で行うグループ(休日を含む週5日)
- 対照群なので、自転車通勤も運動も、特に何もしないグループ
この4つのグループを半年間、追跡調査したところ、筋量に対する体脂肪率、最大酸素摂取量、身体活動性などの変化が見られました。 ※出展:『国際肥満学雑誌』
※BMIとは?
肥満度の指数で、BMI18.5~24.9が通常体重、BMI25以上が過体重です。 求め方は「体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)」です。
例)身長155cm、46kgの場合
46kg ÷ 1.55m ÷ 1.55m ≒ 19.1
となります。
自転車通勤の優れた点は?
前述の1の自転車のグループは、毎日の生活に通勤などの移動手段に自転車を取り入れたため、休日でも、身体活動的に活発な状態が見られました。
また、グループ1は、グループ2と3のジム群と同じ量のエネルギー消費も見られました。
この調査を始めて、6ヶ月が経過した後のグループ1の結果は、総脂肪量が調査を開始した時点よりも少なくなっていました。
また激しい運動を行ったグループ2では、対照群のグループ4と比べて、平均4.5kgの脂肪量減少が見られました。 ちなみに中強度運動のグループ3では、同様に2.6kg、自転車のグループ1では4.2kgの脂肪量減少が見られました。
この結果から、グループ1~3のそれぞれの脂肪量減少の差異は、統計的にも有意に移行したので、運動習慣がやはり大切だということがわかりました。
特に自転車を利用するだけで、努力して運動を取り入れた群よりも良い結果(または同等クラス)となったのには驚きですね。
サイクリング専用の自転車ではなくても、ママチャリでも十分! 忙しいママ世代の健康維持やダイエットに、自転車がこれまで以上に注目されていくことでしょう。
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●『運動不足』~「女性の健康と女性ホルモン」より ⇒ http://femalehormone.online/?s=運動不足
●「生活習慣病の予防と食事」 ⇒ http://annababy.tokyo/illness/lifestyle_diseases/