AnnaBabyTokyo

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善玉の腸内細菌は食物繊維をエサに心臓も丈夫に!

今年(2018年)も腸内細菌というキーワードが健康ニュースとして話題を集めましたが、アメリカからさらに最新情報が入ってきました。
腸内細菌は食物繊維をエサに酪酸という成分を産生しますが、これが心臓を丈夫にすることにつながっているようなのです。
あの有名な『ネイチャー』誌の微生物学版で発表された研究発表です!
詳細を見てみましょう。

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腸内細菌は心臓の健康にも関与?

腸内細菌と心臓の健康は、一見、関係がないように思えますが、食物繊維が多い食事を摂っていると、腸内の善玉菌のエサが豊富になり、酪酸をせっせと産生してくれるのは、有名なお話ですよね。

アメリカのウィスコンシン大学マディソン校の研究発表によると、その酪酸が心臓の健康維持に役立つことがわかってきたのです。

腸と心臓の関係については、これまで、漠然と、カラダの中はつながっているから、腸相が悪いと、心臓にも悪いのでは? というあいまいな認識しかありませんでした。

しかしこの大学のマウスを使っての動物実験で次のようなことがわかってきました。

食物繊維を多く含む食事がポイント!

酪酸の産生を促す腸内細菌はいくつかありますが、マウスが食物繊維をたくさん食事から摂取した場合、「ローゼブリア」という菌が活性化するようです。

この菌が活性化したマウスは、この菌が活性化しなかったマウスと比較すると、アテローム性動脈硬化と心臓での炎症が低下することがわかりました。

しかしローゼブリアという菌が腸内にあったとしても、食物繊維を摂取しないマウスでは、これらの低下は認められなかったので、腸内細菌のエサとして食物繊維を多く含んだ食事を摂ることがポイントのようです。
※参考:『ネイチャー微生物学』2018年11月

心臓を患う人は世代に関係なく善玉菌が少ない?

前述のローゼブリア菌や、腸内で酪酸を産生する「酪酸産生菌」と呼ばる腸内細菌は、総じて「善玉菌」と呼ばれることもあります。

心臓に関係する病気、心血管疾患や、動脈硬化などは高齢者の病気と思われがちですが、食生活や生活習慣が災いして、お子さんや、若い世代の人でも安心はできない病気です。

こうした心血管疾患にかかってしまう患者さんたちは、総じて腸内の善玉菌が極めて少ないこともわかっています。

この研究で、研究者たちは、日頃の食事で食物繊維の摂取量を増やすことが、いかに大切かがわかったと述べています。

食物繊維を取り入れよう!

食物繊維というと、たくさんの野菜や果物を食べなければいけないと思われがちですが、全粒粉小麦粉でできたパンや海藻、シリアル、オートミールなどにも含まれています。
またご飯を冷ました過程でレジスタントスターチという食物繊維様の物質や、高野豆腐に多く含まれるレジスタントタンパクも、食物繊維を摂取したのと同じように、善玉菌のエサとなることがわかっています。

他に、甘味料では砂糖を使用せず、「てんさい糖」に変えるといいでしょう。
てんさい糖に含まれるオリゴ糖も、善玉菌のエサとなります。

白い小麦粉や白いお砂糖でできたパンやお菓子は、食物繊維がほぼ含まれませんが、普段のパンやお菓子も全粒粉小麦粉やてんさい糖入りのものに変えると、ストレスなく、善玉菌にエサを与えて、ご自身の心臓やご家族の心臓も健康維持につながるかもしれません。