お子さんが何らかの胃腸炎を起こした時に、病院で乳酸菌(プロバイオティクス)系の薬を処方されることが多いですね。
日本でも一般的な治療法ですが、アメリカの最新研究で、乳酸菌の種類によっては、その処方は有効ではないことが明らかになってきました。
詳細を見てみましょう。
胃腸炎に乳酸菌はタブーなの?
アメリカのセントルイス・ワシントン大学では、カナダの6つの救急小児施設と協力して、急性胃腸炎や、ウイルス性胃腸炎で受診した児童886名を対象に、臨床試験を実施しました。
対象年齢は、3ヶ月から48ヶ月(4歳)までの乳児、幼児たちです。
急患などで入院し、治療開始から14日以内の中度から重度の胃腸炎と診断された児童108名に乳酸菌系の治療薬を与え、102名にはプラセボ(乳酸菌系ではない治療薬)を与えて、経過を観察しました。
その後、施設、年齢、検出された糞便中のロタウイルスや下痢と嘔吐物中に含まれる物質が解析されました。
そうすると、どちらの治療薬でも、有意差はなく、研究チームは乳酸菌系の治療薬で、発症14日以内の胃腸炎を予防したり改善したりする効果はない、結論づけました。
ちなみに乳酸菌系治療薬はラクトバチルス・ラムノサスとラクトバチルス・ヘルベチクスを含むものです。
※参考:『ニューイングランド医学雑誌』2018年11月
さいごに
すべての乳酸菌系の治療薬がタブーというわけではないようですが、多く用いられる乳酸菌がこの2つのようなので一度、お子さんが胃腸炎などで処方されたお薬をチェックしてみましょう。