AnnaBabyTokyo

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野菜を冷凍保存する時のポイントとは?

冷凍食品として野菜を購入する人も増えてきましたが、冷蔵庫の野菜が傷んでしまう前に冷凍保存したい方も多いことでしょう。
しかし特に野菜は冷凍すると、風味が落ちやすいので、ポイントを押さえて、解凍時に美味しくいただける方法をご紹介します。

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野菜は冷凍すると栄養価が落ちる!?

肉類や魚介類は、買ってきてそのまま冷凍できるので便利ですが、野菜は低温障害や冷凍すると細胞が破壊されて解凍時に使い物にならないので、種類別に特徴を知っておかなければいけません。
ポイントは、野菜の細胞と上手くつきあうことです。

野菜の多くは生のまま冷凍してしまうと、細胞内の水分が結晶化して膨れてしまい、細胞が壊れてしまいます。
そのため、解凍すると、その水分と共に栄養成分も流れてしまうので、栄養価も落ちることになるのですね。
しかし、トマトやきのこ、ニラ、ネギ、玉ねぎのみじん切り、大根おろしに限っては、生のまま冷凍しても栄養価が落ちません。

トマトときのこは生のまま冷凍すると旨味がUP!

トマトときのこは旨味成分のグルタミン酸やグアニル酸などが含まれていますが、冷凍で細胞が膨張して壊れる時に、それらの旨味成分が出てくるので、解凍して調理すると旨味がUPして、お料理に深みが出るというメリットがあります。
多くの野菜は加熱後に冷凍しますが、トマトときのこに限っては、そのまま冷凍してもOKです。
トマトは自然解凍して、生で食べてもOK。また薄皮は、湯むきしなくてもツルリと取れて便利です!

香味野菜は刻んでから小分けして冷凍

ニンニク、生姜、ネギ、ニラ、玉ねぎなどの香味野菜は、予めみじん切りやすりおろし状態にしておき、1回分ずつ小分けしてから、生のまま冷凍しましょう。
これらの野菜を冷蔵室で保存しておくと、どんどんと風味が落ちてしまいますが、新鮮なうちに冷凍保存しておくと、硫化アリルやアリシンなどの血液サラサラ作用のある辛味成分の効力もそのまま凍結されるでしょう。
冷蔵保存だと、風味の低下と共に辛味成分などの作用や殺菌作用なども落ちていきますが、冷凍保存はそのまま凍結できるだけでなく、自然解凍して調理に使う時も、その栄養価は落ちないと考えられています。

大根おろしも生のまま冷凍

大根を野菜の一つとして食べたい時は、一度加熱してから冷凍するのがオススメですが、「大根おろし」としていただく場合は、予めすりおろしてからジップロックなどに入れて冷凍すると、消化酵素のジアスターゼなどの作用もそのまま凍結できます。
こうした消化酵素は、加熱調理すると消失してしまいますが、冷凍してから自然解凍しても消失することはないのです。
これから旬の季節を迎える大根は、丸ごと1本をリーズナブルで買える時期なので、保存に困ったら、せっせと大根おろしにして冷凍しておきましょう。
寒い時期のお鍋の薬味として大活躍してくれますよ。

柑橘系の果汁は絞って冷凍!皮も冷凍

柑橘系の柚子やかぼす(すだち)、ライム、レモンなどは、肉料理や魚料理、そしてお鍋に欠かせない果物ですね。
これらの柑橘類はみかんやオレンジと違って、皮もお料理に使えるので、皮は薄くスライスして千切りにして、冷凍ストックしておくと、いろいろなお料理に使えて便利です。
また果汁も絞った後に密封して冷凍しておきましょう。
柑橘類はビタミンCや酢酸(体内でクエン酸)が豊富で、冷凍してもこうした栄養成分は破壊されないので、自然解凍後に使用してもフレッシュな状態で頂けるでしょう。
冷蔵庫や常温保存する方が皮がしなびて、品質が落ちるので、賢く冷凍保存を利用しましょう。

加熱して冷凍した方がいい野菜たち

冷凍食品になっている野菜類は、やはり加熱してから冷凍するのが望ましい野菜たちです。
ブロッコリー、カリフラワー、いんげん、枝豆、にんじん、ごぼうなどです。
軽く蒸すか、ゆでた後、出来る限り水分をキッチンペーパーなどで取り除いてから密封保存して冷凍しましょう。
一度加熱処理しているので、野菜の細胞を気にする必要はありませんが、家庭での冷蔵庫は、どんなに高価なものでも、冷凍室庫内の温度はー18~ー20℃なので、凍結速度が遅くなります(緩慢冷凍)。
市販の冷凍食品は、工場で瞬時に凍結できる急速冷凍で処理されるので、加熱調理後の野菜の鮮度を保ちやすいのですが、家庭の冷蔵庫ではどうしても完全に凍結されるまでに時間がかかり、その間に品質劣化や栄養価の低下がおきます。
なので、冷凍室のサイズに合わせて金属板を使用し、その上に冷凍する密封保存した野菜を置いて冷凍しましょう。
金属板は100円ショップなどでも手に入ります。
薄い調理用の金属製のパッドなどで十分です。
金属は冷凍室に入れると急速に表面温度が下がるので、それを利用するのですね。

さいごに

意外と知っているようで知らないこともあったと思うので、ぜひ調理科学に基づいた野菜の冷凍方法で、野菜を美味しく頂きましょう。