AnnaBabyTokyo

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魚を食べると喘息を予防?

お子さんの小児喘息をはじめ、今は、大気汚染や職場の環境、ストレスなどで成人してからも喘息で苦しんでいる人が増えていますね。
そんな喘息の予防食に魚介類があがっています。
オーストラリアからの最新研究を見てみましょう。

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喘息に苦しむ人は世界で3億人以上

オーストラリアのジェームズクック大学の公衆衛生研究で、魚介類をよく食べている人ほど、喘息に罹りにくいということがわかってきました。

世界の統計では、約3億3,400万人もの人が喘息で苦しんでおり、そのうちの25%が喘息で命を落としているそうです。
オーストラリアでは国民の9人に1人が喘息(約270万人)という統計も出ており、過去30年で、その数は約2倍になりました。
研究では、患者の約半数の人が、治療薬では完治できておらず、日頃の食生活で改善に向かう食品がないかが検討されていました。

喘息は環境だけではなくファストフードも原因か?

研究者たちは、喘息患者が増えた背景は、大気汚染などの環境だけではなく、食生活の劇的な変化が大きいとして調査を開始。
オーストラリアだけではなく、世界中で、ファストフードやインスタント食品の摂取が増加しており、食事から得られる脂肪酸が、n-3系脂肪酸よりもn-6系脂肪酸の割合が高くなったからではないか? と推測していました。

鮮魚や種実の油脂から採れるn-3系脂肪酸の摂取が、ここ30年で劇的に減少しており、その減少と喘息患者の増加が一致する点に着目。

そこで、研究者たちは、南アフリカの小さな漁村で魚加工工場で働く人々約700人を対象に調査を開始しました。

魚介類(n-3系脂肪酸)の摂取が多いと喘息にかかりにくい?

世界統計では、社会的地位が低い人たちほど、肥満やぜん息などが多いという結果が出ています。
しかし、研究者たちが研究対象に選んだ地域は、社会的地位が低い人が多いにも関わらず、近隣にファストフード店は進出しておらず、人々は収穫された魚介類を中心に食生活を送っている点に注目したのです。

そこで、対象者を2つのグループに分け、この地域の人たちの一般食、すなわち魚介類の摂取(n-3系脂肪酸)が多いグループ【A】と、加工食品など(n-6系脂肪酸)を食べてもらうグループ【B】とに分け、経過を観察しました。

その結果、【A】グループでは喘息の発症はほとんどなく、【B】グループでは67%、喘息の罹患率がUPしたそうです。

水銀を恐れず魚介類を食べよう!

研究者たちは、魚介類の摂取は、近年、水銀の懸念から摂取を控える人が増えていますが、魚介類に含まれる水銀の量は、健康被害を及ぼすほどの量ではないので、魚介類を積極的に食べる方が、喘息の被害から自分の身を守れるだろう、と述べています。
※参考:『国際環境研究公衆衛生雑誌』2018年12月

さいごに

日本では、もともと魚介類を中心としていた和食文化があるので、自国の文化に根付いた食生活を送ると、喘息から縁遠くなるかもしれませんね。
便利な世の中になりましたが、その分、病気で苦しむ人も多くなっているので、その関連を把握して、より良い食生活を送りたいものですね。