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長時間の運動中の食欲減退ホルモンは期待できない?デンマーク・研究

食欲を減退させるホルモンとして「GDF15」が、よく知られています。
動物実験では投薬による実験で、ダイエット効果があることが確認できていますが、人間の場合は、長時間の運動を行うと、このホルモンが分泌されています。
果たして、このホルモンの減量効果はいかに?
デンマークの最新研究報告を見てみましょう。

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「GDF15」ホルモンに減量効果はあるのか?

デンマークのコペンハーゲン大学の研究報告によると、薬として「GDF15」ホルモンを投与すると、減量効果が確認できますが、運動など自然発生した場合は、さほど減量効果が期待できないと結論づけました。

まだ、動物実験段階ですが、マウスなどの"げっ歯類"やサルなどの"霊長類"に「GDF15」を投与すると、食欲が減退して、ダイエット効果がありました。
しかし、全世界6億5,000万人の肥満者を救う薬として、開発途上ではありますが、まだヒトへの投与は認められていません。

ヒトが2時間以上運動すると「GDF15」が分泌されるが……

人間の身体は、長時間の激しい運動を行うと、大量の「GDF15」ホルモンが分泌されることが、以前の研究よりわかっていました。
このホルモンは、長時間の運動下で、身体に負荷がかかるため、生理的なストレスによって生じる、と推定されています。
今回の研究では、動物実験で使用されている「GDF15」と、同じ効果があるかどうかが検証されました。
それは、「GDF15」が、ヒトにおける食欲とエネルギーバランスの役割を理解するために、重要な点であるからです。
研究に入るまで、「GDF15」は、人間にとって、エネルギー代謝の制御因子であるかどうかが、最大のナゾだったとか!?

薬として「GDF15」を投与すると副作用が懸念?

ヒトの身体組成と類似していると言われている動物「げっ歯類」と「霊長類」を対象に、「GDF15」を薬として投与し、経過を観察してきました。
確かに、食欲減退効果は見られましたが、同時に吐き気や別の病気を促進する様子も観察されています。
また、別の研究報告では、「メトフォルミン」という物質を投与すると、体内の「GDF15」レベルを上昇させ、減量効果があることも確認されました。

体内で自然発生した「GDF15」は機能しない?

しかし、運動などで自然に放出された「GDF15」の機能は、ヒトでは、2時間以上の運動で「GDF15」レベルが4~5倍にUPすることが確認できたものの、食欲減退効果は観察できなかったとのこと。
マウスにも運動させたところ、同様に「GDF15」のレベルはUPしましたが、薬で投与した時と違い、食欲が低下しないことが判明したのです。
また、マウスの場合は、自然発生した「GDF15」レベルがUPすると、運動意欲も低下したそうです。

一口に「GDF15」といっても自然由来と化合物では違う?

この結果をふまえ、「GDF15」というホルモンは、物質的には同じであっても、運動などで自然放出されたものと、薬物利用で人工的に造られた「GDF15」では、機能が全く違うことがわかったのです。
一般に、
「運動すると、食欲減退ホルモン「GDF15」が放出される」
という文献が出ていたりしますが、期待はしないほうが良いようですね。
※参考:『ネイチャーコミュニケーション』

さいごに

減量の薬が開発できると、肥満で悩む人たちを救うことになりますが、やはり暴飲暴食を控え、スイーツを控えるなどの、地道な努力が必要かもしれませんね。