ランニング中のエネルギーや栄養補給に、ゼリー飲料を飲む人は多いですね。
CMやマラソンのTV中継でも、よく見かけるシーンです。
しかし、人工的にパワーが出るよう加工されたゼリー飲料よりも、ジャガイモを使ったポテトを摂取する方が、運動能力が高まるようです。
アメリカの最新「生理学」研究を見てみましょう。
ゼリー飲料は運動中のエネルギー＆ビタミン補給にはいいが……？
ゼリー飲料は、運動中にエネルギーやビタミンを気軽に栄養補給できるので便利です。
この「エネルギー」とは、特に「糖質」を指すもの。
運動中に即、エネルギーに変えられるのが「糖質」だから多めに入っているのですね。
他に、タンパク質もバランスよく含まれています。
何かのスポーツを取り入れている人は、結果を出すために体力維持や運動力を高める点で重宝していることでしょう。
しかし、ゼリー飲料は人工的に加工されたもので、エナジードリンクと同様、少年少女は頻繁に多飲しないほうがいいとされています。
成人でも、エナジードリンクの多飲で救急搬送している人口が、世界中で増えているので注意が必要です。
長時間運動の結果はジャガイモの糖質で能力UP？
そこで手軽なゼリー飲料の替わりとなる食べ物が検証された結果、アメリカのイリノイ大学の研究で「ジャガイモ」が最適だという報告がありました。
研究では、数年間トレーニングを積んでいる12名の自転車競技選手を対象に調査を開始。
その選手たちは、1週間平均267kmを走る練習熱心な選手たちです。
まず、選手たちは以下の３つのグループに分けられました。
- 水のみ
- 市販のゼリー飲料（糖質ジェル）
- 2と同量の糖質を含むジャガイモ（ポテトピューレ）
これらを摂取した24時間後に、2時間のサイクリングとそのタイムが測られました。
ポテトの摂取はゼリー飲料なみの運動能力向上に？
その結果、ゼリー飲料を摂取した選手とジャガイモを摂取した選手にパフォーマンス結果の違いはみられませんでした。
どちらも水だけを摂取した選手が達成できなかった結果を、大幅に向上したのです。
研究者たちは、
ジャガイモは競技スポーツ選手にとって、ゼリー飲料に替わる好ましい食品だ。コストパフォーマンスも良く、栄養が詰ったホールフードから糖質摂取できるところがいい。
と述べています。
※参考：『応用生理学雑誌』
運動にポテトチップスはNG？
ジャガイモも調理の仕方によっては、十分な栄養が摂れない場合があります。
ポテトチップスやフレンチフライなどの揚げ物です。
糖質面だけで見ると、揚げ物のポテトにも入っています。しかし、他の栄養面は、急に高温の油で揚げるため消失してします。
そのため、研究者たちがいうような「栄養が詰ったホールフード」とは言えないのです。
茹でたポテトやポテトサラダなどがいいでしょう。
少し多めの水分でのばして調理した「ポテトピューレ」などもいいですね。
さいごに
スポーツ選手にとって、運動能力を上げたり、筋肉を維持するために「糖質」は大切な栄養素です。
同じ結果が出たとしても、やはり人工的に加工されたスポーツドリンクやゼリー飲料よりも、「ホールフード」であるジャガイモを使ったポテト料理で運動する身体を守りたいものですね
特にお子さんの運動能力は、小学生から高校生の成長期に定着します。
質のいい食べ物からの糖質で、運動能力の向上を見守ってあげましょう。
