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経済格差と肥満の関係とは?

近年、低所得者に肥満者が多い、という報告が世界各地の栄養研究の調査であがってきています。
その実態は一体、どうなっているのでしょうか?
イギリスの最新肥満学研究の詳細を見てみましょう。

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経済格差と肥満の関係とは?

イギリスのリバプール大学の研究によると、低所得者の人々は、お金に関する不安から、心理的苦痛に陥り、そのため、感情的な食行動に走って、肥満になるケースが多いことがわかってきました。

以前から、社会経済的地位は、肥満と強く関連している、という報告が上がっていましたが、心理的なメカニズムは明らかにされていませんでした。

今回の研究では、社会経済的地位の低さと肥満との関連が、心理的苦痛による過食と関与するのかどうかが詳細に調査されました。

心理的苦痛はドカ食い傾向に?

ヒトは本来、失恋や受験のストレス、人間関係のトラブルなど、心理的不安に陥ると、「やけ食い」と呼ばれるように、過食に走りがちです。
一時的なものなら肥満にまでつながりませんが、低所得者の場合は、お金に関する不安が長期に渡るため、最初は「やけ食い」という一時的なものであったのに、やがてドカ食いが当たり前となってきて、食べることで不安から逃れようとする食行動に走るようです。

研究では、150名の対象者の心理的苦痛、感情的な食行動、回復力などを調査しました。
そして、社会経済的地位を確認するため、年収や教育レベルを考慮に入れたうえで、身長と体重からBMI値を割りだしました。

その結果、低所得者の人たちは、高収入の人や、中程度の収入の人たちと比べて、心理的苦痛と感情的な食行動を起こすケースが有意に高く、他の所得帯の人たちよりもBMI値がかなり高かったそうです。

低所得者は肥満になりやすい?

しかし、回復力に関しては、この研究では有意な要素が発見できなかったそうですが、ヒトはお金に関する不安感が一番の心理ストレスになるのかもしれませんね。

栄養バランスのとれた食事は、野菜や果物、魚介類など、生鮮食品が多いので、低所得者の人たちには高くつくので、避けがちです。
そして低所得者の人たちは安価で購入できる加工食品などで食事を済ませるため、さほどお金をかけなくてもお腹を満たすことができます。
研究者たちは、肥満減少の対策として、こうした低所得者の人たちの食行動を改めさせる対処に焦点をあてなくてはいけない、と述べています。
※参考:『肥満学』2019年2月

さいごに

日本でも格差社会は広がりつつありますが、もし経済状況が苦しくなることがあっても、不安から過食に走ってしまうと、今度は病魔も襲ってきてしまい、負のスパイラルに陥ってしまいます。
もし、不安なことが起こったり、ストレスを感じても、ヤケ食いはほどほどにしておくのが良さそうですね。