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10代の低体重は早期閉経が確実か?

『応用栄養学』の学問上では、以前から思春期のダイエット開始年齢が、早ければ早いほど、後の閉経年齢が早くなる懸念があると言われていました。 今までは、確証がまだなく、「懸念事項」と捉えられていましたが、ようやくアメリカのマサチューセッツ大学からエビデンスが発表されました。

年々早まる思春期のダイエット

現在の40~50代の女性は、高校生ごろからダイエットに興味を持ち始めたのではないでしょうか? しかし、ママの影響なのか、今ではもう小学校高学年の10歳を過ぎたあたりから、見た目を気にしたダイエットで、偏食する女の子が増えてきています。

特に女子では9歳頃から14歳ぐらいまでが成長のピークで、身長が伸びるときです。 この時期にダイエットで成長に必要な栄養成分が摂取できていないと、骨がもろくなり、早期の骨粗しょう症や早期閉経につながると懸念されてきました。

骨粗しょう症や閉経は、50歳前後の更年期の女性に起こるカラダの変化ですが、早期閉経とは45歳未満で起こることを指します。

もし30代後半から45歳未満で骨粗しょう症や閉経を迎えてしまった方は、若い頃のダイエットが原因の1つだと考えられるでしょう。

マサチューセッツ大学の調査とは?

10代のダイエットが早期閉経の原因だと発表したマサチューセッツ大学の調査を見てみましょう。

約8万人の女性を対象とした大規模な調査で、結論からいうと、10~30代前半に低体重(BMI値18.5以下)の女性は、45歳未満で閉経を迎える「早期閉経」の確立が高いという結果になりました。

また早期閉経とともに、認知力の低下、心血管疾患、早死になどのリスクも高まっているようです。

BMIとは?

肥満度の指数で、BMI18.5~24.9が通常体重、BMI18.5以下が低体重です。 求め方は「体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)」です。

例)身長155cm、46kgの場合

46kg ÷ 1.55m ÷ 1.55m ≒ 19.1

となります。

低体重と普通体重女性の違い

マサチューセッツ大学が調査した約8万人の女性は、1989年の調査開始時点で25~42歳の看護師の女性を対象としていました。

対象となった女性たちに、10代の頃の体重を答えてもらい、その後の2011年まで2年おきに、健康調査を行いました。

この健康調査の結果から10代の頃に低体重であった女性は、その頃に普通体重であった女性よりも30%も早期閉経を迎えていることがわかったのです。 一方で10代の頃に過体重であった女性はその頃に普通体重であった女性よりも20~30%、早期閉経のリスクが低かったということです。 早期閉経に関しては、ポッチャリさんよりも、痩せすぎ女性の方がリスクが高いようですね。

その証拠に、18歳の時点でBMI値が17.5であった女性たちは、50%も早期閉経のリスクが高くなったとのことです。 そして35歳の時点でも低体重であった女性たちは59%と、さらにリスクが高くなっています。

※参考:『人類生殖』2017.10.25発表

人目を気にするスレンダーな容姿は、ご自分の健康や生命を脅かすほど大切なのか、今一度考えてみましょう。

日本女性の低体重の実態は?

厚生労働省平成27年度『国民健康・栄養調査』の発表によると20代女性のやせの割合は22.3%と多くなっており、日本でも若い女性の低体重が問題視されていますね。 ※厚生労働省:平成27年度『国民健康・栄養調査』

日本の多くの人気女優やモデル、および世界でみてもハリウッド女優やスーパーモデルと言われる女性たちは、BMI18.5以下の低体重の人が多くなっています。 それに伴い、世界的に有名なブランド『クリスチャン・ディオール』はファッションショーで「痩せすぎモデルはNG」と発表したことで話題になりました。

それぐらい世界中で、見た目のスレンダーさを求めて、痩せすぎる女性が多いのです。

諸外国では人口増が問題となっている国もありますが、日本では少子高齢化が問題視され、人口減が懸念されています。

このまま出産適齢期の女性の低体重人口が増えると、ますます少子化が進むので、現在思春期のお嬢さんがいらっしゃるご家庭では、くれぐれも行き過ぎたダイエットに走らないよう注意しましょう。

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