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新型コロナウイルスにかかると糖尿病になりやすくなる? イギリス・研究

新型コロナウイルスに一度かかると、健康であった人が糖尿病にかかりやすくなるようです。
また、元から糖尿病患者であった人がコロナに感染すると、合併症に起こすリスクが高くなることもわかってきました。
イギリスの最新・糖尿病研究の詳細をみてみましょう。

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コロナと糖尿病に関連が?

イギリスのキングスカレッジロンドンを中心とした国際糖尿病専門家たちの共同研究により、冒頭のようなことがわかってきました。
これまでにも、糖尿病患者は新型コロナウイルスの重症化率や死亡率が高い、と指摘されていたので、コロナと糖尿病、双方の関連が深い可能性があることが懸念されています。

コロナで死亡した患者の20~30%が糖尿病患者?

統計によると、これまでに新型コロナウイルスによる死亡者のうち、20~30%が糖尿病患者だという報告も上がってきました。
一方で、コロナ感染者が、新たに糖尿病を発症するケースも高くなっているようです。

特に元から糖尿病であった患者が、コロナに感染すると、「糖尿病ケトアシドーシス」や「高血糖高浸透圧症候群」といった命を落とす可能性が高い、重度の合併症が見られるケースも増えてきているそうです。

どのようにコロナは糖尿病を悪化させるのか?

コロナを引き起こすウイルス「SARS-Cov-2」がどのように糖尿病に影響を与えるのかは、まだハッキリとはわかっていません。

研究者によるとコロナウイルスがヒト細胞に侵入するとき、タンパク質の1種「ACE-2」の存在があるとのこと。
「ACE-2」が肺だけではなく、「膵臓」「小腸」「脂肪組織」「肝臓」「腎臓」などグルコース代謝に関与する臓器や組織にも存在するためではないか? と推測しています。

コロナより怖い「ACE-2」

研究者たちは、こうした組織に「ACE-2」が侵入することにより、ウイルスがグルコール代謝の複雑な機能障害を起こさせ、糖尿病を悪化させたり、新たに糖尿病になるリスクを高めているのではないか、と考えられています。

コロナに感染すると「Ⅰ型糖尿病」を誘発?

一般に「糖尿病」といえば、生活習慣により罹患することが多いⅡ型糖尿病をさします。
治療次第では完治する可能性もあります。

一方の「Ⅰ型糖尿病」は生まれつきなど、幼少期に発症することが多い糖尿病です。
Ⅰ型の場合は、Ⅱ型と違い、一生治らないという宿命も持ち合わせています。
しかし、コロナに感染すると、成人であっても「Ⅰ型糖尿病」を誘発する可能性もあるのだそうです。

生活習慣を改めることもコロナ予防に?

研究者たちは、この結果をふまえ、

「糖尿病はどこの国でも蔓延している慢性疾患(生活習慣病)の1つで、現在コロナと糖尿病の間では、避けられない衝突の結果が見られています。
新型コロナウイルスと人間との、短期間の接触で、ウイルスが体内のグルコース代謝に影響を与える、正確なメカニズムもまだ判明できていません。
しかし、コロナと糖尿病は、お互いに影響を与えていることは事実です。
また、コロナは今までの研究事例が少ないため、糖尿病についても、急性症状なのか、典型的なⅠ型かⅡ型なのか、あるいは新型糖尿病が出現しているか、などの詳細もわかっていません」

と述べています。
※参考:『ニューイングランド医学雑誌』

さいごに

研究者たちの無念さが伝わってくる研究報告ではありますが、ウイルスによって体内のグルコース代謝がダメージを受ければ、もともと健康であった人でも後遺症となって、糖尿病になるリスクが高まりそうですね。

日本では緊急事態宣言が説かれ、通勤ラッシュが戻ってきており、日々感染者もまた増えつつあります。
ソーシャルディスタンスや手洗い&うがい、マスクなど、基本的な感染症対策はしっかり行いたいですね。