強いストレスにさらされた時、衝動的に暴飲暴食をすることがありますよね。
いわゆる「ヤケ食い」です。
このストレス時のヤケ食いは、通常の精神状態でのドカ食いよりも、食事の内容が同じでも太りやすいことがわかってきました。
オーストラリアの最新研究を見てみましょう。
強いストレス時のヤケ食いは太りやすい?
オーストラリアのガルバン医学研究所によると、まだマウスでの動物実験の段階ではありますが、強いストレスにさらされた状態で、ヤケ食いすると、体重が増加しやすいことがわかってきました。
脳の分子経路にはニューロペプチドYという分子があります。
難しい名前は覚えなくても大丈夫ですが、このペプチドが脳の扁桃体(へんとうたい)で生産が阻害されると、体重増加は抑えられるのですが、どんどん生産されてしまうと体重増加が起こります。
そのニューロペプチドYが脳内で生産されてしまうのが、強いストレス状態にさらされている時だそうです。
ストレス状態だとインスリンの感受性も低下
研究で強いストレス状態にあるマウスの脳を調査したところ、ストレスを感じると脳の扁桃体は、インスリンの感受性が低下してしまい、その結果、体重を増加させる作用のあるニューロペプチドYの生産を抑えられなくなることがわかりました。
脳がこのような状態になると、体内も高インスリン濃度の状態が慢性的に続くようになるので、ストレスの多い生活を送っていると、ますます食べ物を要求して、肥満へと続くようです。
この研究はマウスの脳で行われていますが、この脳の構造は人間でも同じそうなので、ヒトでも同じことが起こると考えられています。
※参考:『細胞代謝作用』2019年4月
さいごに
大人でも子どもでも、何かに失敗したり、試験に落ちたりすると、強いショックからヤケ食いはしてしまうものですね。
またパパママ世代では、仕事で強いストレスに強いられ、毎日続くと、脳内が体重増加の指令を出してしまうので、危険ですよね。
ストレスを溜めないことが一番大事ですが、ストレスを感じても、この脳のカラクリを思い出して、ヤケ食いを思い留まれるようにしたいものですね。