AnnaBabyTokyo

仕事・子育て・健康・栄養~働く女性を応援する情報ブログ

食後の異常な眠気はなぜ?血糖値スパイクは原因ではない?米・研究

食後の異常な眠気は、特にランチのあとは困りますよね。
食後1時間から2時間後に襲ってくることが多く、病気かな?と心配になることもあるでしょう。
食後の眠気の原因はなにか?
一般に言われるように、食後の眠気は「血糖値スパイク」なのでしょうか?
アメリカの最新研究を見てみましょう。

f:id:annababytokyo:20191201191251p:plain

食後の眠気の原因は記憶に作用する?

アメリカのニューヨーク大学の研究によると、食後の眠気は「長期記憶の形成」に関連することがわかってきました。
ヒトも動物もお腹がいっぱいになると、たくさんのエネルギーを摂取したことになります。
それを消費するのに体力を使うため、動作を鈍くしカラダを「休息」の状態にしようとしているから”食後の眠気”が襲ってくるのです。
昔から食事は「腹八分目」と言いますが、食事の量が多すぎてお腹がいっぱいになるほど”食後の眠気”はひどくなるそうです。

食後のインスリンは眠気に影響しない?

ヒトや動物は食事した後、インスリンを分泌させる機能を持っています。
これにより体細胞は血液から栄養素を吸収して、栄養成分を長期保存のために脂肪に変換する作用があります。
しかしインスリンは、眠気を指令する脳にはほとんど影響を与えていません。
インスリはカロリーの摂取量の有無に関わらず、眠気ではなく「長期記憶」の形成を含む脳機能に重要なようです。

食後のインスリンの働きは2つ!眠気に関係なし?

またこの研究によると、ヒトのインスリン様分子は大きく2つに分離されるそうです。
インスリンに代表される機能の1つに、「代謝モジュール」というものがあります。
これは食事の摂食と、エネルギーバランスを制御する働きがあります。
もう1つは、「向精神モジュール」というもの。
これにより、インスリンの分子はヒトの記憶形成を制御すると考えられています。

このように、食後の眠気はインスリンはほぼ関与していないようですね。
食後はインスリンの作用で血糖値が乱高下し、それを「血糖値スパイク」といいます。
この血糖値スパイクは、健康を害する可能性はありますが、直接"食後の睡魔"とは関係ないということでしょう。

アメフラシを使った動物実験で明らかに?

ニューヨーク大学の研究ではアメフラシを用いて、お腹いっぱいエサを与えた時のインスリンの状態を観察しました。

その結果、食後のアメフラシのインスリンには前述の「代謝モジュール」と「向精神モジュール」が見られたということです。
アメフラシのインスリンは、栄養成分を代謝し、長期記憶を司るニューロンの接触も強化していました。
しかし、お腹いっぱいになるまでエサを食べると、その働きが低下したようです。

食後の眠気の原因は記憶を定着させるため?

研究者によると、食後の眠気は直接インスリンが原因ではないようです。
インスリンによって栄養が代謝され、脳の長期記憶などのニューロンが働きます。
食後に眠気が襲ってくるのは、記憶を維持するために睡眠が必要だから、と考えられるようです。
※参考:『サイエンティフィックレポート』

アメフラシとは?

この研究の動物実験に使われた、アメフラシってなに? と思われた方も多いでしょう。
アメフラシは、近年RNAのコピーができるため、動物実験への需要が増えている軟体動物です。RNAとは、遺伝子(DNA)のコピーのこと。
アメフラシは特に、学習や記憶など神経科学の重要な実験動物で使用されています。
ノーベル賞を受賞した科学者たちの間でも用いられ、その実験結果はヒトにも同様のことが起こりえると高い評価を得ている動物です。

さいごに

まだ動物実験の段階ではありますが、様々な論説が飛び交う「食後の睡魔」のなぞが解明される日も近いかもしれませんね。
お腹いっぱい食べるほど眠くなるようなので、ランチの時は仕事や勉強に影響するので腹八分目で押さえるようにしましょう。
特に師走はクリスマス会や忘年会で、お腹いっぱい食べることも多いですね。
夕食後、寝るにはまだ早い「中途半端な時間帯」での睡魔にも気を付けておきましょう。