食物アレルギーがあるお子さんは、その原因食材が置いてある部屋にいても大丈夫なのでしょうか?
かなり重篤なアレルギーの場合は、その食べ物の匂いなどでもアレルギー症状が出るようですが、実態はどうなのでしょうか?
食物アレルゲンと同室していてもOK?
アメリカ、ミズーリ州にある、小児慈悲病院の研究報告によると、ほとんどの食物アレルギーを持った子どもにおいて、原因食材と同じ部屋にいても、呼吸の乱れなどの症状は見られないことがわかりました。
乳幼児期に多く見られる食物アレルギーは、卵、牛乳、ピーナッツ、小麦などですが、その中で牛乳とピーナッツは、アレルギー症状がひどく出ることが多いので、子どもをその食材から遠ざける傾向があります。
また、お子さん自体も、その食材でアレルギーを起こすことがわかっているので、見るだけで、気分が悪くなってしまう場合もあるようです。
ですが、この研究によると、そこまで神経質になる必要はないとのことです。
食物アレルギーの不安を子どもから取り除いてあげると!?
研究では、小児科医たちが、食物アレルギーを持つ子どもたちの不安を取り除く試みが行われました。
その方法とは、ピーナツバターや牛乳などの食物アレルギーを持つ子どもたちが、その原因食材と同じ部屋にいるだけではなく、その場所での空気で呼吸ができること、また、触っても大丈夫であることを確認したのです。
そうすると、子どもたちは自分で、食物アレルゲン(食物アレルギーの原因食材のこと)の近くにいても、食べなければ大丈夫なのだ、ということを学ぶことができたそうです。
また、原因食材を「食べる」以外にも、体内に入ってしまう行為、例えば、
- 目に入れる
- 鼻から香りを吸い込む
- 擦り傷がある手で触る
- 怪我のある部分に原因食材を置く
などの行為もしなければ、同じ部屋にいても、問題ないことを学ぶことができたそうです。
そして、それを理解した、食物アレルギーを持つ子どもたちは、大きな安らぎを得ることができ、その後の不安がなくなったようです。
※参考:『アレルギー、ぜんそくと免疫学年報』
重症の場合はアレルギーフリー対応を
とはいえ、100%の食物アレルギーの人に、その方法が当てはまるとは限りません。
パーセンテージとしては、かなり少ない人数ではありますが、原因食材を含んだホコリや蒸気だけで症状がでる場合もあります。
そうした恐れのある方は、アレルギーフリーテーブルについて食事をしたり、調理スペースに入るのを避けるなどの対応が必要です。
さいごに
稀な、重篤なケースはのぞき、幼少期特有の食物アレルギーは、成長に従って、アレルギー症状が治まるケースもありますし、食べたり、傷口からそのエキスが体内に入らない限りは、同室にいても大丈夫なようですね。
もし、神経質になっている方は、ぜひご参考に。