コロナ禍で、マスクをすることが「常識」となった昨今。
しかし、目の表情で、ある程度の人の表情を読み取ることができます。
「目は口程に物を言う」という諺もありますし……。
しかし、子供の場合は、まだ人生の経験不足なのか、マスクをしている人の感情を読み取れないようです。
イタリアの最新研究の詳細を見てみましょう。
未就学の子供はマスクをしている人の表情を見抜けない?
イタリアの『国立技術研究所』からの研究報告によると、就学前の児童は、マスクをしている人の顔から、喜びや悲しみの感情を読み取ることが、まだ難しい、という事実がわかってきました。
マスクをした人としていない人の画像で検証
研究では、パソコン、タブレット、スマホを用いて、マスクをしている人と、マスクをしていない人の画像を用意し、子供たちにクイズ形式の実験に参加してもらいました。
対象となった子どもたちは、
- 3~5歳(31名)
- 6~8歳(49名)
- 18~39歳の成人(対照群/119名)
でした。
単独判断ではわからない?
参加者は、画像の人たちの感情を言い当てるために、単独での判断が求められましたが、最年少のグループの子供達は、親の助けを借りて、画像判断を行いました。
画像から、マスクをしている人と、していない人の、
- 幸福感
- 悲しみ
- 恐怖感
- 怒り
といった、様々な感情を伝える顔の表情を、どれぐらい認識できるかが、確認されました。
最年少グループの子供はマスク越しの感情がわからない
その結果、最年少の「3~5歳」の子供たちのグループは、マスクをした顔の画像を見て、悲しみの表情を読み取れたのは、40%でした。
6~8歳児では、55~65%、成人では70~80%と、正解率が上がっていきました。
しかし、全ての年代で、マスクをした顔の感情を、100%読み取ることが難しい、という事実も示されました。
他の感情も、未就学の子供は読み取りが難しい
「悲しみ」以外の、他の感情の写真では、良好な結果が得られました。
しかし、就学前の児童は、やはり、正解率が低く、マスクをしている人の顔の認識は、困難なようです。
子供の脳は柔軟なので読み取れる確率もUPしやすい?
この実験は、昨年2020年のパンデミック初期段階の統計結果となります。
当時はまだ、フェイスマスクを導入したばかりで、全ての人たちがマスクに慣れていませんでした。
しかし、1年以上が経過した、この状況に慣れると、子供の脳は、非常に柔軟なので、学習記憶が増えて、マスク時の人の表情も、見分けられるようになるでしょう。
とのことです。
※参考:『心理学の最前線』
さいごに
マスクをしている時と、外した時とで、顔の印象がガラリと変わる人もいます。
マスクは感染予防に、大切なツールですが、表情がわかりにくいといった難点もありました。
目の動きで、相手の考えている表情を読み取れるようになるのも、時間の問題かもしれませんね。